田中元のニュース解説

着々と進む、ケアプランへのAI活用 2024年度改定でどこまで制度化される?

ケアマネジメントにおけるAI活用の研究がどこまで進んでいるのか、気になるケアマネは多いでしょう。5月の介護保険部会では、厚労省の「ホワイトボックス型AIによるケアプラン作成支援」に向けた工程表なども改めて示されています。2024年度の介護報酬・基…

骨太方針が高らかにうたう介護等のDX。 その先にある未来像は現場に伝わるか?

6月7日、政府が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2022」を閣議決定しました。一読して目につくのは、やはり横文字の多さです。重点分野でのGXやDX、社会保障分野ではデータヘルス改革に関するPHRなど。コロナ禍や物価高で疲弊する国民生活や介…

人員基準の緩和──利用者・家族からの 「責任追及」リスクをどこまで想定?

5月30日の社会保障審議会・介護保険部会で、内閣府の規制改革推進会議の答申(5月27日決定)の内容が示されました。その中に、「介護付き有料老人ホーム」等における人員配置基準の特例的な柔軟化があがっています。かねてから論点となっている緩和策です…

小規模事業所の経営改革が義務化される? 政府の骨太改革案でも浮上する注目課題

財務省の財政制度分科会が、介護保険制度の改革を含めた建議を取りまとめました。すでに審議会の議論で提示されたものが中心ですが、厚労省側の審議会にも大きなプレッシャーとなってくるでしょう。その「実現可能性」という点で、特に注目したいテーマの一…

2021年度報酬改定の影響調査で浮かぶ 次期改定に向けたケアマネ改革の2大焦点

2021年度の厚労省・老人保健健康増進等事業として、居宅介護支援等にかかる2021年度の「介護報酬改定の影響に関する調査研究」(実施主体:三菱総合研究所)の結果が公表されました。ケアマネ実務に関してさまざまな見直しが行われた2021年度改定ですが、1…

軽度者だからこそ必要なサービス── 居宅療養管理指導等の意義を再確認

次期介護保険制度の見直しに向けた財務省の財政制度等審議会(財政制度分科会)の提言で、「軽度者に対する居宅療養管理指導サービス等の給付の適正化」を求めています。このテーマは、先の日本介護支援専門員協会(以下、日本協会)の見解でもふれられてい…

日本介護支援専門員協会が打ち出した 「セーフティネット」という言葉の重み

介護保険制度見直しに向け、財務省などから厳しい提言が出されています。これに対し、日本介護支援専門員協会(以下、日本協会)が会長名で「財政制度等審議会・財政制度分科会の資料に対する見解」を公表しました。同見解から注目のポイントを取り上げます…

介護保険部会の議論がいよいよ稼働 実は本丸テーマはケアマネジメント改革⁉

2024年度(第9期介護保険事業計画期間)の介護保険制度見直しに向け、社会保障審議会・介護保険部会が本格的に動き始めました。制度をめぐる課題が目白押しとなる中、これからどのような議論が展開されるのでしょうか。今後の議論を見聞きするうえで、注意…

BCP策定のスピードアップに向け 自治体からのプレッシャーが強まる可能性

国の調査によれば、介護事業所・施設におけるBCP(業務継続計画)の策定状況は、昨年末時点で「2022年3月までの策定予定」とする回答が約5割にのぼっています。逆に策定のめどが立たない事業所・施設も一定程度見られます。2024年3月末の経過措置終了に向…

経済団体が打ち出したサーキットブレーカー 実現するのか? 狙いはどこにあるのか?

社会保障制度の改革に向け、経済界からの要望や提言が活発化しています。経済3団体のうち、経済同友会からは「持続可能な財政構造の実現に向けて」と題した政策提言が出されました。その中で、医療・介護給付を抑制するための「サーキットブレーカー」の導…

急な物価上昇が介護に与える影響 臨時の報酬改定も必要なレベル!?

一気に進んだ「円安」等を背景に、今年に入ってから消費者物価の指数が上がり続けています。すでに介護現場でも、少なからぬ影響がおよび始めました。今後の経済政策の動向にもよりますが、物価上昇がこのまま続いた場合、2024年度に向けた介護保険見直しの…

サ高住等におけるケアプラン作成 調査研究から浮かび上がる問題の根深さ

2021年度老人保健健康増進等事業の一環で、ケアマネにとって興味深い報告書が示されました。それが「サ高住等における適正なケアプラン作成に向けた調査研究(実施主体:日本総合研究所)」です(「サ高住等」には、住宅型有料老人ホームなども含みます)。…

ケアマネ法定研修カリキュラムの見直し 「準備材料」の提示で見えてくること

厚労省がケアマネの法定研修カリキュラムの見直しを予定しています。果たしてどのような改定が行なわれるのか──そのヒントとなる資料が公表されました。「介護支援専門員の資質向上に資する研修等のあり方に関する調査研究事業」(実施:日本総合研究所。202…

「ヤングケアラー支援マニュアル」を 情報収集が困難なケースに活かすには

ヤングケアラーについて、国は2022年度から3年間を「集中取組み期間」と位置づけています。4月22日には、厚労省が「多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアル」の周知を求める通知を発出しました。ケアマネおよび現場の支援職が、マニュアル…

「仕事と介護の両立支援」をめぐって ケアマネの法定研修等はどうなる?

2021年度に自治体のモデル事業として、「仕事と介護の両立に関する研修カリキュラム」にもとづくケアマネ向けの研修が行われました。この事業結果をもとに、今後は法定研修のカリキュラムへの組み込みも予定されています。今回の事業を通じ、ケアマネとして…

財務省によるケアマネ改革案は、 制度の理念や現場の実情に沿っているか?(2)

引き続き、4月13日の財政制度等審議会(財政制度分科会)で提示された、ケアマネジメントにかかる改革案を取り上げます。今回は、もう1つの案となる「福祉用具貸与のみをプランに位置づけた場合の報酬引下げ」についてです。ケアマネジメントの根本にかかわ…

財務省によるケアマネ改革案は 制度の理念や現場の実情に沿っているか?(1)

財務省の財政制度分科会が、4月13日の議論で、ケアマネジメントについての改革案を2つ打ち出しています。1つは、ケアマネジメントへの利用者負担導入。もう1つが、福祉用具貸与のみのケースについての居宅介護支援の報酬の見直しです。今回は、前者の「…

小学生ヤングケアラー実態に初のスポット ケアマネも「発見者」となる可能性が

厚労省が、2021(令和3)年度の「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」の報告書(実施主体:日本総合研究所。子ども・子育て支援推進調査研究事業として実施)を公表しました。今回の調査では、中高生に加え、これまで実態把握が行われてこなかった小学…

性的マイノリティへの人権意識 その「問い」に応えるための土台

昨今は、性的マイノリティにかかる人権意識がますます問われています。そうした中、介護保険関連の申請書の一部における「性別の記載」を不要とする通知も発せられました。一方、介護現場においても、性的マイノリティへの理解を深める必要性が高まっていま…

排泄予測支援機器の留意事項で気になる 「排泄誘導の介助者」があいまいなこと

特定福祉用具販売の給付対象に「排泄予測支援機器」が新たに加わりました。2022年3月31日には、この新たな給付についての詳細な留意事項や疑義解釈も示されています。これまでの給付対象用具にはない「予測」という機能をめぐり、現場での運用やこれからの…

介護休業等の取得率は5年で「後退」!? 取得に「つなぐ」ための新機能が問われる

政府の全世代型社会保障構築会議が、これまでの議論の整理を行ないました。同会議では、「人への投資」という観点から「家庭における介護の負担軽減」をテーマの1つにかかげています。介護離職ゼロが目指されて久しい中、今後の施策に必要なのは何でしょう…

「認知症の人と家族の一体的支援」スタート どのような効果が期待される? 課題は?

4月1日から、地域支援事業実施要綱の一部が改定されます。具体的には、市町村が手がける認知症総合支援事業に、「(認知症地域支援推進員が手がける業務として)認知症の人と家族への一体的支援事業」が加わったことです。介護給付サービスとの関係も考察…

浮かぶ「居宅ケアマネ処遇」の厳しさ 介護従事者処遇状況等調査をどう読むか?

介護給付費分科会で、「令和3(2021)年度介護従事者処遇状況等調査」の結果(案)が示されました。各種処遇改善加算のほか、2021年度の報酬改定やコロナ禍が処遇状況にどう影響したのかが現れています。ここでは、今調査から浮かぶ「居宅ケアマネの処遇状…

公的価格評価検討委員会が再スタート。 現場従事者に寄り添う施策は期待できるか?

内閣府による公的価格評価検討委員会が、第4回の会合を開催しました。第3回会合までの中間整理を受け、今年2月からの介護職員等の月額平均9,000円アップを目指した補助金等(10月からは介護報酬上の新たな処遇改善加算)が誕生しています。今後は、どのよ…

災害時を想定した個別避難計画 ケアマネのかかわり方とその課題

自然災害が多発する中、災害発生時を見すえた多機関・多職種による地域での役割が改めて重視されています。2021年に災害対策基本法等が改正されましたが、具体的な取組み指針ではケアマネ等の役割も明記されました。先だっての課長会議でも取り上げられた「…

ケアマネをめぐる大きな改革が続々。 現場が注目したいポイントは?

厚労省老健局による2021年度の「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」が開催されました。提示された資料の中から、ケアマネが頭に入れておきたいポイントを大きく2つ取り上げます。1つは法定研修について。もう1つはケアプラン点検に関することで…

社会の多様な機関において、 ケアマネジメントが価値となる時代

東京都が、「高齢者の特性を踏まえたサービス提供のあり方検討会」の報告書を公表しました。同検討会は、高齢者が認知機能の低下等に直面しても、買い物や金融機関の利用などを適切に行ないながら地域で生活ができるよう方策を目指したものです。ここには、…

LIFE活用に明確な「NO」が一定数。 コロナ禍で翻弄される科学的介護

3月7日に開催された介護報酬改定検証・研究委員会で、LIFEにかかる調査結果が示されました。LIFE登録にかかるアンケートのほか、居宅介護支援等を対象としたモデル事業の状況も示されています。現段階でどのような課題が浮かび上がっているでしょうか。 「…

長期化する第6波、その先の感染拡大も!? 問われる「緊急時の介護保険」

オミクロン株を主流とした新型コロナウイルスの感染拡大では、依然として新規陽性者数が高止まりしています。入院治療を要する人の数もピーク時で第5波の4倍に達し、介護サービスの機能低下は施設・在宅問わず深刻です。仮に第6波が収束したとして、次の波…

死亡者数の急増トレンドは続くのか? その場合の介護の負担増は?

厚労省より、2021年12月の人口動態統計の速報が公表されました。この12月の速報では、その1年間(2021年)の累計数値も示されています。対前年比で注目したいのは、出生数の減少もさることながら、死亡数が一気に5%近くも上昇したこと。背景として、どの…

先進的な取組み下での人員基準の緩和。 現場従事者の意は反映されるか?

介護現場の人員配置基準は、今後どうなっていくのでしょうか。政府の規制改革推進会議が、「先進的な特定施設(介護付き有料老人ホーム)の人員配置基準について」と題した議論のとりまとめを示しました。あくまで「特定施設」が対象ですが、「特例アプロー…

「紹介状なしでの大病院等の受診」にかかる定額負担引き上げ。注意すべき点は?

2022年度の診療報酬改定では、患者の医療費負担に関係する見直しも行われました。それが、紹介状なしで一定規模以上等の医療機関を受診した場合の「定額負担」についてです。具体的な見直し点は、負担額引上げのほか、対象となる医療機関の拡大など多岐にお…

現場が「逓減制緩和」に乗らないのはなぜ? 次期改定に向けての検討課題

2021年度の介護報酬改定で、居宅介護支援における「担当件数の逓減制」の緩和が図られました。その緩和適用の基本報酬Ⅱ区分について、施行から半年の10月審査分では算定率が約1割となっています。この数字をどのように受け止めればいいでしょうか。 改定前…

診療報酬改定の介護への影響(1)  利用者の入退院時等にかかる見直し

2月9日、厚労省の中央社会保険医療協議会(中医協)で、2022年度診療報酬改定の答申が行われました。新型コロナウイルスの感染拡大下での改定ということもあり、これまで以上に改定項目は多岐にわたります。何回かに分け、介護現場として特に注目したい内容…

2024年度報酬改定に大きく影響!? 今後の介護事業経営調査で注意したいこと

厚労省の介護給付費分科会および介護事業経営調査委員会で、2022年度の介護事業経営概況調査の実施案が示されています。実施時期は今年の5月、調査結果は今年12月に公表される予定です。その結果が、2024年度の介護報酬改定にもたらす影響を掘り下げます。 …

利用者の重症化はさらに進む⁉ 問われる「非常時の人材確保策」

新型コロナウイルスの第6波によるクラスターが増える中、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が「オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策」を示しました。高齢者施設などクラスターの発生しやすい状況に対し、事例を踏まえた対応策を打ち出しています…

ケアプランデータ連携システム稼働へ。 その先にあるLIFEとの関連に注意

2022(令和4)年度の予算案で、ケアマネとして気になる項目の一つに、「ケアプランデータ連携システム構築事業」(2.7億円)があります。システム構築は2021年度から進められていますが、今回は本格的な運用に向けた環境整備が目指されます。現場のケアマネ…

埼玉の立てこもり事件を受け 今、国・自治体・業界は何をすべき?

報道を見て、恐怖を感じた──そうした声が介護従事者からも上がっています。訪問診療医が痛ましい犠牲となった、埼玉の立てこもり事件についてです。ハラスメントなどの域を超えた「特異な事件」ではありますが、訪問系の現場への不安は広がっています。 訪問…

DXによる人員基準の緩和策。 内閣府が敷いた「レール」に注意

日本経済団体連合会(経団連)が、デジタル革新(DX)によるヘルスケア分野の改革にかかる提言を公表しました。介護分野では、デジタルテクノロジー等の活用を前提とした介護施設の人員基準緩和も打ち出しています。こうした提言が、2024年度改定などにどの…

通所系サービスの「送迎」評価 利用者のアクセス権にかかわる課題

ここ数年、北海道や日本海側は冬場の大雪に見舞われています。そうした中、一般社団法人・日本デイサービス協会が、地域の特性に応じた加算の要件緩和を求める要請をサイトに掲載しました。通所系サービス「送迎」については、2015年度改定などで現場の厳し…

年金減額や物価上昇、医療費負担増 ──高齢者生活に押し寄せる複合要因

2022(令和4)年度の年金の改定額が公表されました。4月から(支給は6月)の国民年金・厚生年金の改定率は、2021年度から0.4%の引き下げに。一方、このタイミングで注意したいのは、物価が急速に上昇していることです。介護現場としても、気になる課題で…

感染急拡大下、「応援人員が足らない」 という状況も想定した一手を

新型コロナウイルスをめぐっては、高齢者介護施設等におけるクラスター発生も再び二桁台に上りました。一昨年来、繰り返し訪れる感染拡大の中で、介護サービス基盤をどう守っていくのかはますます大きな課題です。 事業者団体はさらなる待期期間短縮を要望 …

10月からの新たな処遇改善策にも コロナ禍での視点は不可欠

2022年初となる介護給付費分科会が開かれ、10月からの継続的な処遇改善に向けた「介護報酬上でのしくみ」が提案されました。イメージ的には、新たな処遇改善加算という位置づけです。果たして、現場の従事者が「改善」を実感できる施策となるのでしょうか 濃…

感染急拡大下でのケアマネ 過去の臨時的取扱いだけで対応は可能か?

新型コロナウイルスの感染が再び急拡大する中、厚労省のアドバイザリーボード(専門家による対策助言のための会合)でも、「介護現場における感染や濃厚接触による職員の離脱」が大きく広がることを危惧しています。サービス休止等の拡大も懸念される中、ケ…

オミクロン株の感染拡大で 未曾有の「サービスSTOP」が訪れる!?

年明けから、再び新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。年末年始での宴席や移動等の増加に加え、感染力の強いオミクロン株の割合上昇等が要因と指摘されています。一部地域では、医療機関のみならず介護現場のサービス提供にも影響が及びつつありま…

居宅介護支援事業所、昨年度4万件割れ 背景は? これからどうなる?

2020(令和2)年度の介護サービス施設・事業所調査の結果が公表されました。地域密着型通所介護が200近く減るなど、やはり新型コロナ禍の影響が伺えます。同時に気になるのは、居宅介護支援事業所の大幅減。2014年度以来となる4万件割れとなりました。 介…

2020年度の高齢者虐待実態調査。 現場も注視したい3つの課題

高齢者虐待防止法にもとづく、2020(令和2)年度の高齢者虐待実態調査の結果が公表されました。養介護施設従事者等による虐待については、相談・通報件数、虐待判断件数ともに対前年度比で減少。一方、養護者(家族等)による虐待については、いずれも2006…

人員配置等の基準緩和。 制度として進める前に必要なこと

人員配置基準を4:1に緩和する。ユニット型特養の1ユニットあたり定員を「おおむね15人以下」とする──政府の規制改革推進会議・医療・介護WGで、法人・自治体側によるプレゼンで提案された改革案です。現場側からの発案という点で、大きな意味を持ちます。 …

公的価格評価検討委員会の中間整理、 期待すべきポイントは?

2022年2月からの処遇改善策(処遇改善にあてた分の補助金支給は6月より)の後、10月からの恒久的な対応策はどうなるのか──その方向性を示した「公的価格評価検討委員会」の中間整理が、12月21日に公表されました。注目したいポイントを取り上げます。 現場…

ケアマネにも関係。 通いの場等の推進に向け、今必要なこと

新型コロナウイルスの感染については、オミクロン株による国内の市中感染例が認められるなど、再び予断を許さない状況が迫りつつあります。そうした中、感染防止に配慮した「通いの場等の取組みを実施するための留意事項」について、厚労省が通知を出しまし…