来年4月の介護報酬改定に向けた協議を重ねている社会保障審議会・介護給付費分科会の26日の会合 − 。居宅介護支援を俎上に載せた厚生労働省は、特定事業所加算の見直しを提案した。【青木太志】
例えば24時間の連絡体制の確保や実習への協力など、複数の要件を他の事業所との連携によって満たすことができる下位区分を新設してはどうかという。
加算を取るハードルを下げる狙い。基本報酬の逓減制の緩和と同じく、事業所が経営の安定化を図れるようにするための施策。質の高いケアマネジメントを推進する思惑もある。
また厚労省は、「多様な主体の生活支援のサービス(インフォーマルサービス含む)が包括的に提供されるようなケアプランを作成していること」との要件を、全ての区分に加える案も提示した。今後さらに調整を進め、年内に大枠の方針を決定する。焦点の単位数は年明け、1月か2月に公表する。
直近の経営実態調査によると、居宅介護支援の昨年度の収支差率は▲1.6%。経営は依然として非常に厳しいが、特定事業所加算を算定しているところは状況が違う。特に「加算II」以上は別世界(*)で、「加算III」でも▲0.2%と大幅に好転する。
*「加算I」が+4.2%、「加算II」が+0.8%
厚労省は今回、小規模な事業所などでも取得を目指せるよう新区分の創設を提案。常勤の主任ケアマネジャーの配置を求め、ケアマネは常勤1名以上、非常勤1名以上とした。非常勤は他の事業所との兼務も認める方向だ。計画的な研修や事例検討会についても、他の事業所との連携による実施を可能にしてはどうかという。
このほか、医療との連携に着目した既存の「加算IV」の名称を、「医療介護連携体制強化加算(仮称)」に改める意向も示した。