利用者のデータ分析、過去2年以内に実施していないが73% 厚労省

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社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会(第22回 3/12)《厚生労働省》

厚生労働省は12日、社会保障審議会・介護給付費分科会の介護報酬改定検証・研究委員会に、2018年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(20年度調査)の結果を示した。21年度介護報酬改定では、LIFEによる利用者のデータ収集とフィードバックの利活用が求められるが、20年度調査でCHASEシステムへの入力の負担感が「大きい」と約9割が回答。また、過去2年以内に利用者に関するデータ分析を実施していないと回答した施設・事業所は73%あった。

20年度調査は、▽介護保険制度におけるサービスの質の評価▽福祉用具貸与価格の適正化▽訪問介護における18年度介護報酬改定の影響▽医療提供を目的とした介護保険施設などのサービス提供実態および介護医療院などへの移行▽認知症対応型共同生活介護などにおける18年度報酬改定の影響-に関する調査研究事業の5項目。

「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」では、データベースを用いた分析「調査方法(A)」で、CHASEに利用者のデータ登録があった266の介護施設・事業所の利用者6,931人と、VISITにリハビリテーション計画書のデータ登録があった事業所(計画書2-1は288事業所、計画書2-2は290事業所)の利用者(計画書2-1は2万780人、計画書2-2は2万792人)、フィードバック可能な利用者データがあった173の施設・事業所へアンケート調査した「調査方法(B)」の90施設・事業所の回答から、調査結果をまとめた。

調査方法(A)では、CHASEに登録された「日中の活動等」のデータでは、1週間における趣味・役割活動を行う頻度(回数)は(介護老人福祉施設・介護老人保健施設の85件が対象)、0が38.8%で最も多く、次いで0超2以下が23.5%の順。また、服用薬剤数は(介護老人保健施設の1,025件が対象)、6剤以上が40.8%、1-3剤が33.0%、4-5剤が26.2%などの結果が分かった。

調査方法(B)では、CHASEシステムへ入力することの負担感は「大きい」または「どちらかと言えば大きい」が約9割あった。負担を感じる場面では、▽データ入力作業▽操作方法についての理解▽入力する利用者情報の収集-などの項目が上位に挙がった。

一方、調査方法(B)で、過去2年以内に利用者に関するデータ分析(利用者のADL値の経時的比較など)を実施していないと回答した施設は、回答数90件のうち73%を占め、実施したことがある(23%)を大きく上回った。