ヤングケアラーの支援で報告書案を取りまとめ 厚労省と文科省

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ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム(第4回 5/17)《厚生労働省》

厚生労働省と文部科学省の副大臣を共同議長とする、「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」は17日、3回にわたる有識者のヒアリングなどを踏まえて、今後取り組むべき施策を掲げた報告書案を取りまとめた。

ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の 連携プロジェクトチーム 第4回会議

ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム報告

ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の 連携プロジェクトチーム報告

ヤングケアラーは一般的に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている児童を指す。年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負うことで、本人の育ちや教育に影響があるといった課題があり、早期発見・支援に向けた取り組みが求められていることから、両省連携によるプロジェクトチームを3月に発足させた。

報告書案では、今後取り組むべき施策として、(1)早期発見・把握(2)支援策の推進(3)社会的認知度の向上-を掲げた。

早期発見に向けた取り組みとして、ヤングケアラーがケアをする家族に対しては、すでに医療、介護、福祉などの機関における医療ソーシャルワーカーや介護支援専門員、相談支援専門員などの専門職の関わりが一定数あるため、これら専門職がケアの担い手について把握することが求められるとした。

国として、ケアを必要とする人に関わることが想定される医療、介護、福祉などの関係機関や専門職員を対象に、各地方自治体が行うヤングケアラーの概念、ヤングケアラー発見のための着眼点や対応する上で配慮する事項など、ヤングケアラーについて学ぶ研修を推進する考え。

支援策の推進では、SNSなどオンライン相談を含めた悩み相談の事業支援をはじめ、多機関連携によるヤングケアラー支援の在り方についてモデル事業を実施し、成果をマニュアルなどにまとめて周知を行うなどとした。

プロジェクトの中で公表された、初めての全国規模の調査研究事業「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」では、世話をしている家族が「いる」と回答した子どもは、中学2年生で5.7%、全日制高校2年生で4.1%だった。このうち、家族への世話を「ほぼ毎日」している中高生は5割弱、一日平均7時間以上世話をしている中高生が約1割存在することが分かった。

本人にヤングケアラーという自覚がない者も多く、子どもらしい生活が送れず、誰にも相談できずに日々一人で耐えている状況もうかがえることから、報告書案では「記載されている施策について、スピード感を持って取り組む」とした。

厚労省の山本博司副大臣はあいさつで、対象者が子どもなので相談窓口で待っているだけでは支援が届かないため、専門職のアウトリーチ型の支援が必要だとする一方で、専門職にとっては新たな負担になるので、関係機関につないでいただくことに報いるような支援策を検討すると述べた。