オンライン服薬指導、事前に対面指導せずとも可能に 厚労省案

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医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(オンライン服薬指導改正通知(仮称)に関する御意見の募集について(11/30)《厚生労働省》ほか

電話や情報通信機器を用いたオンラインでの服薬指導について、厚生労働省は11月30日、直接の対面指導を行っていなかった患者への実施も認める内容を盛り込んだ医薬品医療機器等法施行規則の一部改正の省令案と通知案を公表した。また、これまで規制していた介護施設での患者へのオンライン服薬指導も容認するほか、オンライン服薬指導を実施する薬剤師にあらかじめ同省が定めた研修の受講を義務付けることも規定した。この省令案と通知案について、同日から12月29日まで意見募集を実施している。

従来の施行規則では、同一の内容またはそれに準じる内容の処方箋で調剤された薬剤について、薬剤師が対面で服薬指導をしたことがあれば、薬局の開設者がその薬剤師にオンラインでの服薬指導を行わせることとしていた。

しかし、厚労省はこの要件を撤廃する。ただ、対面指導の実施の有無にかかわらず、薬学的な知見に基づき薬剤師がオンライン服薬指導の実施の可否を判断する必要がある。

一方、薬局で対面による服薬指導を実施したことがない患者や、処方の内容に変更のあった患者には対面での服薬指導を原則とする。ただ、そのような患者にやむを得ずオンライン服薬指導を行う場合、あらかじめ患者の理解を得た上で、お薬手帳に基づく情報や処方箋を発行した医師の診療情報を収集し、患者の服薬状況などを確実に把握しなければならない。

また、薬剤師がオンラインでの服薬指導を実施するに当たって、患者に初めて調剤する薬剤については、服薬アドヒアランスの低下を回避して薬剤の適正使用を確保する必要がある。このため、事前に薬剤情報提供文書などを患者に送付してから服薬指導を行ったり、服薬状況の把握や副作用の確認を実施したりするなどの対応を新たに規定した。

オンライン服薬指導の対象となる処方箋について、厚労省はこれまで、処方医などがオンライン診療や訪問診療を行った場合に交付したものに限定していたが、これら以外の処方箋もオンライン服薬指導の対象とする。

また、複数の患者が居住する介護施設などの患者にオンライン服薬指導を実施すべきでないとしていた規定も見直し、実施できるようにする。その際の留意事項は、事前に患者の状態を十分に把握した上で、▽オンライン服薬指導の実施の可否を患者ごとに判断する▽プライバシーに十分配慮された環境でオンライン服薬指導を行う▽薬剤師が必要だと判断した場合は介護者などを同席させる-こと。

厚労省は、意見募集の結果などを踏まえ、関連の省令案と通知案を2021年度内に改正する。