地域包括ケア病棟の転棟患者割合、400床未満にも減算適用を 支払側が主張

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中央社会保険医療協議会 総会(第504回 12/10)《厚生労働省》

中央社会保険医療協議会の支払側委員は10日の総会で、地域包括ケア病棟入院料2を届け出ている400床未満(許可病床)の医療機関も、自院の一般病棟から転棟した患者の割合が基準を満たさなければ入院料の減算ルールを適用すべきだと主張した。地域包括ケア病棟に求められるポストアキュート機能を担ってもらうよう促すためだ。また、果たすべき役割に応じて同入院料・入院医療管理料の点数にメリハリを付けることも改めて求めたが、診療側は反対の姿勢を示した。

地域包括ケア病棟の主な役割は、「急性期治療を経過した患者の受け入れ」「在宅で療養を行っている患者等の受け入れ」「在宅復帰支援」の3つ。地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料には、これらの機能に関する施設基準が設けられている。例えば、同入院料2・4の基準(許可病床数400床以上)は自院の一般病棟から転棟した患者割合が6割未満で、満たせなければ入院料が1割減算となる。

また、同入院料・入院医療管理料1・3では自宅などから入棟した患者割合の基準が「1割5分以上」で、入院医療管理料(10床未満)の場合は入棟患者が3カ月で6人以上必要となる。他にも関連の施設基準が設けられているが、3つの役割の一部しか担っていない医療機関があることが明らかになっている。

入院医療に関する2020年度の実態調査によると、同年10月時点で自宅などからの入棟患者割合がゼロの地域包括ケア病棟が一定数あったほか、自院の一般病棟からの転棟割合が高い病棟では自宅などからの入棟割合が低い傾向があった。また、同入院料2の医療機関では自院の一般病棟からの転棟割合が高く、病床規模で見ると400床未満の医療機関の多くが9割以上だった。

さらに、同入院料の届出医療機関の中には、救急医療を提供していない施設が一定程度あったほか、同入院料・入院医療管理料の算定には入退院支援部門の設置を求めているが、入退院支援加算1の届出割合は約5割だった。

こうした状況を踏まえて、10日の総会では同入院料・入院医療管理料の評価の在り方が論点となった。

松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「(地域包括ケア病棟)入院料2では自院の一般病棟から転棟している患者の割合が高く、この傾向は減算規定のない400床未満の医療機関で顕著だ」として、400床未満にも減算ルールを適用すべきだと要望した。

一方、診療側は、機能に応じた評価のメリハリ付けに改めて反対した。城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、例えば近隣に在宅療養支援診療所などがある病院は在宅患者の受け入れ件数が必然的に少なくなり、急性期病院が近くにない医療機関では自院の急性期病棟で患者の治療を行った後、地域包括ケア病棟に移り、在宅復帰につなげる件数が多くなる場合があると説明。地域の事情を考慮することが必要で「一般病棟から多数の患者を受け入れている医療機関が直ちに不適切であるかのような印象を持たれるのは正しい認識とは言えない」と訴えた。

城守委員はまた、自院の一般病棟から多数の患者を受け入れて自宅などからの患者の受け入れが少ない病棟は、同入院料1よりも点数の低い同入院料2などを算定することになるとし「さらに厳しいペナルティを与える措置は必要ない」とも指摘した。