新型コロナウイルス治療薬の特例承認について(12/24)《厚生労働省》
厚生労働省は24日、経口投与の新型コロナウイルス感染症治療薬「モルヌピラビル」(販売名:ラゲブリオカプセル200mg)の製造販売を特例承認した。軽症・中等症患者向けの新型コロナ飲み薬の国内承認は初。新たな変異株のオミクロン株にも有効性があるという。
承認後に後藤茂之厚労相は記者団に対し、軽症者向けの経口治療薬の実用化について、「国民が安心して暮らせるための切り札になり得る」と強調。オミクロン株に対しては、製造販売元のMSDから細胞レベルでの試験結果で抗ウイルス活性が低下しないとの報告を受けたとし「有効性があると判断している」と述べた。
また、日本人への投与歴が少ないことから、投与した医療機関に患者へのフォローアップを求めることも明らかにした。
同薬については、24日に開かれた薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部会が製造販売承認の可否を審議し、特例承認することで合意。これを受けて厚労省が即日、正式に承認した。
モルヌピラビルは、新型コロナの重症化リスク因子を有する「軽症-中等症I」患者向けの経口治療薬。通常は、18歳以上の患者に1回当たり800mgを1日2回、5日間投与する。
ただし、軽症でも妊婦や妊娠の可能性のある女性には投与してはいけない。また、授乳婦については母乳栄養の有益性などを考慮した上で、授乳を継続するか、中止するかを検討する。
同薬に関する国際共同第II/III相試験では、入院や死亡に至った被験者の割合は7.3%で、プラセボ群と比べて6.8ポイント低かった。ただ、18歳未満を対象とした臨床試験は現時点で実施されていない。
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