千葉大・近藤教授「社会参加しやすい街作りを」 高齢社会フォーラムで講演

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《 講演する千葉大・近藤克則教授 》

内閣府は17日、今年度の「高齢社会フォーラム」をオンラインで開催した。今回のテーマは、「リアルもデジタルもいきいきとつくる豊かな長寿社会」だ。【北村俊輔】

基調講演を行った千葉大学予防医学センターの近藤克則教授は、高齢者の社会参加活動を活発にすることで介護予防を推進していくことが重要と提言。迫りくる更なる高齢化と人口減少を見据え、介護現場の人手不足を緩和することにもつながると呼びかけた。

近藤教授は介護予防について、疾患の悪化・再発の防止などを指す3次予防、健診による早期発見・治療などを指す2次予防、保健指導による生活習慣の改善などを指す1次予防だけでは不十分と指摘。社会や経済なども含めた"環境"に介入し、「暮らすだけで健康になる街作り」に取り組む"ゼロ次予防"の必要性を改めて提唱した。

具体例としては、閉じこもりがちの高齢者が相対的に多くいる地域を紹介。要因を調べたところ、住宅地の急な坂道の多さなどが影響を与えていることが分かったとし、「状態悪化の"原因の原因"が環境のこともある」と解説した。あわせて、この地域に電動カートを走らせて環境を改善する実証実験を行ったところ、一部の高齢者の行動範囲が広がったことも報告した。

近藤教授は、「社会参加活動を増やすことで、生き生きと豊かな長寿社会を作れる可能性が見えてきている。それは介護人材不足の緩和にも有用」と説明。「社会参加しやすい街作りが大事。暮らしているだけで健康になるような環境作り、"ゼロ次予防"を更に強めることも重要ではないか」と語った。