賃上げのケアマネ除外に強い怒り… 「自ら主体的に動いて変えるしかない」= 介護屋宮崎・宮崎直樹さん

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《 介護屋宮崎・宮崎直樹代表 》

「この業界は若い子にとって夢がない。現状を変えないといけない」。

千葉県船橋市や東京都江戸川区などで居宅介護支援を運営する「介護屋宮崎」の宮崎直樹代表はそう話す。今回の賃上げで居宅介護支援のケアマネジャーが対象外とされたことについて、率直な受け止めを語ってもらった。「怒りしかない」とため息をつく一方で、「自分達で主体的に動いて状況を良くしていきたい」と前を向いている。【Joint編集部】

今回の賃上げから居宅のケアマネが除外されたことをどう捉えていますか?

非常にショックでした。残念を通り越して怒りしかありません。「ケアマネは処遇改善に値しない」「あなた達はその程度だから」などと思われているのでしょうか。これまでも薄々そう感じていましたが、ここで"ダメ押し"された気分ですよね。

なぜ居宅のケアマネを除外したのか、その理由をぜひ明確に教えて頂きたい。「今回はお金がなかった。ごめんなさい」ってはっきり謝ってくれていたら、もう少しスッキリしたことでしょう。でも、そうした真摯な説明もありませんでした。我々だけ否定されたような気持ちになったり不信感を持ったりするのは、むしろ当然ではないでしょうか。

どんな影響が考えられますか?

ここは若い子にとって夢がない業界ですが、ケアマネ界隈はそれが更に色濃くなってしまうと思います。他の業界は年齢を重ねるに連れて、知識・技術を高めるに連れて収入も上がっていくでしょう。ただ、公的価格の介護報酬を主な収入源とする介護職、とりわけケアマネは違います。継続的なスキルアップ、献身的なサービスを求められてあまり報われないわけですから、担い手はどんどん減っていくのではないでしょうか。

ケアマネ不足は既に生じていると思いますか?

足りている事業所とそうでない事業がある、というのが我々の地域の現状だと認識しています。人気のあるところとそうでないところがあり、人手不足で淘汰される会社も出てきているのは事実ですよね。

ただ、今後は更に厳しくなっていくと言わざるを得ません。ケアマネの高齢化で引退していく人もたくさん出てきます。介護職にはならないように、と親世代が学生などに日頃から言い聞かせているくらいですから、若い人たちが多く入ってくることも期待できません。早急に有効な施策を講じなければ、ケアマネ不足も一気に手遅れの状態になってしまうでしょう。ヘルパーと同じような事態にまで至れば、それこそ介護崩壊が更に顕在化することになると危惧しています。

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《 宮崎直樹代表と佐藤つぐみ取締役(右)》

今後の制度改革に向けて期待することを教えて下さい。

あまり期待してませんが…。とりあえず、介護現場の疑心暗鬼を増幅するようなことはできるだけ避けて頂きたい。

我々は今後、利用者さんのためにも生き残りの道をそれぞれ考えていくことになります。色々と難しいのは分かりますが、全体の改革の方向性をもう少しクリアに、分かりやすく示して頂ければ、多くの事業者が戦略を描きやすくなると考えます。

 現場のケアマネへ呼びかけたいことはありますか?

他の誰かがいつかきっとどうにかしてくれる − 。そんなことはあり得ません。給与も労働環境も一向に良くならず、人手不足がどんどん深刻度を増している現実をみて下さい。自分達で主体的に行動し、自ら状況を好転させていくしか方法はないんです。

介護業界が急に変わることはないですし、私にもそんな力はありません。ただ、そこで諦めてしまったらもはや次の展望が開けないわけですから、いつかきっと変えられる、少しでも良くできるという気持ちで行動してきました。

もちろん、問題意識を持って積極的に活動されている人は私以外にもいます。皆さんにも是非、それぞれの思う形で立ち上がって頂きたい。現状を良しとするのもいいでしょう。ただ、何かを変えたいと自分なりに懸命に動いている人を揶揄したり、足を引っ張ったりする行為だけはやめて欲しいなと思います。

株式会社介護屋宮崎

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《 宮崎直樹代表と佐藤つぐみ取締役 》

2009年6月に千葉県船橋市で設立。現在は東京都江戸川区も含めて2つの居宅介護支援事業所を展開している。宮崎直樹代表は船橋市議会議員としても活躍中。高齢者福祉の充実や介護業界の発展、介護職の地位向上などを目指して日々奮闘している。