利用者ごとの記録などを電子でのみ保存、最多の通所介護でも3.2%

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社会保障審議会 介護給付費分科会(第209回 3/17)《厚生労働省》

厚生労働省の2021年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の結果では、利用者ごとの記録や介護報酬の請求などについて、パソコンで作成し、出力して紙で保存する事業所が5割以上となり、電子でのみ保存する事業所種類で最多の「通所介護」でも3.2%にとどまった。

21年度改定では、文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減のため、ケアプランや重要事項説明などにおける利用者などへの説明・同意取得について、▽電磁的記録による対応を原則認める▽利用者等の署名・押印を求めないことなどが可能▽運営規程等に記載する従業員の「員数」を「〇〇人以上」と記載することが可能▽諸記録の保存・交付等について電磁的な対応を原則認める-などの改定が行われた。

計画書などについて利用者への説明・同意取得に利用することがある電磁的方法として、「電子メール」「事業者のタブレット等へ署名を行う機能」「その他の電子署名」の利用状況を聞いたところ、いずれの事業所種類でも2.5%以下だった。

説明・同意取得に電磁的方法を活用していない理由は、「電磁的方法を活用できる機器等がない」が58.3%、「利用者が電子メールやパソコン等を使えない」が48.2%、「利用者に対応してもらうのが難しいと思う」が46.6%、「電子署名等の導入にコストがかかる」が46.1%だった。

また、利用者ごとの記録、介護報酬の請求に係る文書などについて、いずれの事業所でも「パソコン等で作成し、出力して紙で保存」が5割以上で、「訪問介護」「居宅介護支援」ではそれぞれ71.0%だった。「パソコン等で作成し、電子でのみ保存」は、事業所種類によって1.1-3.2%という結果になった。

これらの調査結果について、17日に報告を受けた社会保障審議会・介護給付費分科会では、東憲太郎委員(全国老人保健施設協会会長)が、介護老人保健施設でも説明・同意取得において電磁的方法の利用は1施設のみで、国は押印廃止・サインレスを掲げているが、現場では全く進んでいない状況にあると指摘。現場で加速度的に進むような国の支援・対策をしっかり考えてほしいと要望した。

【資料PDFダウンロード】

>>【資料1-3】(3)文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査研究事業(結果概要)(案)