社会保障審議会 介護保険部会(第95回 7/25)《厚生労働省》
社会保障審議会の介護保険部会は25日、介護分野での人材の確保や現場の生産性向上の推進をテーマに幅広く議論した。活用によって生産性やケアの質の向上が期待される、いわゆる「介護助手」を普及させるため、一部の委員からは介護報酬上の評価を作るよう求める意見が上がった。
介護助手は、介護職員との業務分担によって身体介護といった専門的な業務以外の周辺業務を行う人材。例えば、ベッドメイキングや食事の配膳などのほか、施設系では清掃、通所系なら送迎といった業務を担う。
現場で介護助手を活用することにより、生産性やケアの質が向上すると期待されている。また、担当の業務範囲の整理を適切に行うことで、活用の効果がさらに高まると考えられている。
この日の部会で、全国老人保健施設協会会長の東憲太郎委員は、介護助手が現場に多数いれば介護職員が本来の業務に専念することができ、ケアの質の向上につながるのは明らかだと指摘。その上で、施設や事業所が介護助手を雇う場合には人件費が掛かるとし、介護助手の活用の普及を図るため「何らかの報酬上の評価も必要になる」と要望した。
一方、橋本康子委員(日本慢性期医療協会会長)は、介護助手の定義が分かりにくいとし「介護助手は間接介護の部門を担当し、介護福祉士などは直接介護の部門を担当する」などと、業務内容が分かるように工夫すべきだと主張した。
介護助手を巡って、厚生労働省は活用による効果を実証するための効果測定事業を2022年度に実施。また、介護施設での活用状況の実態を把握するための調査研究事業も行う。