共有すべき介護情報、直近のサービス状況など提言 厚労省

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健康・医療・介護情報利活用検討会 介護情報利活用ワーキンググループ(第5回 4/5)《厚生労働省》

厚生労働省の介護情報利活用ワーキンググループ(WG)は5日、介護事業所や自治体が医療機関に共有すべき介護情報の具体的な内容について議論した。全国デイ・ケア協会理事の野尻晋一構成員が、介護サービスの直近の状況などを共有する必要があると指摘し、これに賛同する意見が上がった。WGでは、2023年度末までに議論の取りまとめを行う。

国が創設を目指す「全国医療情報プラットフォーム」では、レセプト・特定健診情報や電子処方箋情報などのほか、要介護認定の情報や科学的介護情報システム(LIFE)で収集しているデータ、介護サービスの報酬請求・給付情報、ケアプランに関する情報も共有される見通し。

野尻構成員はWGで、医療機関と介護事業者の間で共有すべき情報として、▽疾病の発症前の生活の状況▽提供された治療や介護サービスの内容▽治療や介護サービスの開始時と直近の状況-を挙げた。

その上で、これらの情報をプラットフォームで共有されるLIFEでの収集データやケアプラン情報などの中から拾い上げ、時系列が分かるように提供する仕組みにすべきだと主張した。この意見に齋藤訓子構成員(日本看護協会副会長)などが賛同した。

また、能本守康構成員(日本介護支援専門員協会常任理事)が、利用者・患者の価値観や生活上のこだわり、生活習慣、生きがいとしていること、家族との関係といった「ナラティブデータ」を共有すべき情報にする必要があるとした。

能本構成員によれば、これらの情報は在宅復帰を目指している場合に入院・入所中も支援者の間で共有され、意欲の保持に向けた支援として患者・利用者との会話の中で活用すれば、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の維持や向上に有効になるという。

次々回のWGで、医療機関が介護事業所や自治体に共有すべき医療情報の具体的な内容を検討するほか、その留意点を整理する予定。