訪問看護師が処方箋発行・投薬、条件付き規制緩和策を提案

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規制改革推進会議 医療・介護・感染症対策 ワーキング・グループ(5/15)《内閣府》

政府の規制改革推進会議「医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」(WG)が15日開かれ、佐々木淳専門委員(医療法人社団悠翔会理事長)は、一定の条件の下で訪問看護師が処方箋を発行して投薬できる規制緩和策を検討すべきだと主張した。医師のタスク・シフト/シェアを進めるための提案で、推進会議では5月末ごろの答申に盛り込めないか、厚生労働省と調整する。

佐々木氏は、患者の病状の急変時に往診した医師が投薬できない場合に看護師などが代わりに対応する2つの方法を説明した。

1つ目は、病状の変化を想定し、医師がひと通りの薬をあらかじめ処方しておく方法。ただ、この方法では、▽どの程度の発生リスクまで医師がカバーする必要があるのかが不明確▽発生頻度の高いものに絞るとカバーできない症状が生じる可能性がある▽発生頻度の低いものまでカバーすると使われずに無駄になる薬が多くなる-といった課題がある。

2つ目は、病状に変化が生じた際に看護師が医師に相談し、処方箋を発行してもらう方法。しかしこの方法も、▽看護師が医師に連絡できない▽連絡できてもすぐに処方箋を発行できない▽発行できても対応できる薬局がない-など患者が薬を服用できないという課題がある。

そのため、15日のWGで、佐々木氏が別の選択肢として、一定の条件の下で訪問看護師が処方箋を発行し、輸液を含めた投薬を行える仕組みの検討を提案した。

具体的な対応案は、▽医師に連絡がついたものの処方箋を発行できない場合、看護師は医師の指示に基づいて処方せんを発行できる▽医師と連絡がつかない場合、看護師は医師の包括的指示に基づいて処方箋を発行できる▽24時間対応を標榜する薬局がある場合、薬剤師は迅速・確実に患者宅に薬剤を届ける。24時間対応の薬局がなければ訪問看護事業所に薬剤を配備し、看護師がその備蓄から薬剤を使用することができる▽24時間対応する薬局の有無にかかわらず、訪問看護事業所内への輸液製剤の配備を可能とする-など。

佐々木氏は、これらの対象となる薬剤(輸液製剤を含む)の範囲をあらかじめ指定しておくことも提案した。