【介護報酬改定】通所介護の入浴介助加算Ⅱ、要件を緩和 厚労省提案 介護職員の訪問も可に

《 社保審・介護給付費分科会|10月26日 》

 

厚生労働省は26日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、通所介護の入浴介助加算を取り上げた。【Joint編集部】

※ 加算(I)の見直しについてはこちらの記事

上位区分の加算(II)の要件を緩和し、今より算定しやすくすることを提案。浴室環境などを把握するために利用者宅を訪問する職種の中に、介護職員も一定の条件のもとで含めてはどうかとした。これから細部を詰め、年内にも大枠の方針を固める。

※ 加算(I)の見直しについてはこちらの記事

◆ ICTで専門職らと連携

通所介護の入浴介助加算(II)は55単位/日。利用者が自宅で自立して入浴できるように取り組む事業所を評価するインセンティブで、2021年度の介護報酬改定で創設された。

その要件は、

専門職が利用者宅を訪問して浴室環境を確認し、利用者の身体状況も踏まえて個別の入浴計画を作成したうえで、それに沿って個別の入浴介助に取り組むこと

などが柱。ただ算定率は低く、事業所ベースで通所介護が12.2%、地域密着型通所介護が7.5%にとどまっている(昨年8月審査分)。

厚労省は会合で、算定しない理由として「利用者宅を訪問する専門職の確保・連携が困難」という声が多かった、との調査結果を報告。訪問する職種を医師、理学療法士、作業療法士、介護支援専門員、介護福祉士らに限っている今の要件の見直しを提案した。

具体的には、ICTを活用してこうした専門職から適切に指示を受けることなどを条件として、新たに介護職員による訪問も認めてはどうかとした。

厚労省はこのほか、事業者からみた加算の分かりにくさを解消する措置もとると説明。Q&Aで明らかにしている細かいルールを基準告示に書き込むなど、要件をより明確に示していくとした。

◆「加算(II)は必要なのか」との声も

会合では民間介護事業推進委員会の稲葉雅之代表委員が、専門職の確保・連携が困難という課題はなお残るのではないかと指摘。全国老人福祉施設協議会の古谷忠之参与は、「要件の明確化・簡素化の更なる検討をお願いしたい」と要請した。

また、認知症の人と家族の会の鎌田松代代表理事は、「加算(II)に必要性があるのか、とても疑問だ。自宅で自立できたとしても、入浴には見守り支援が必要になる。家族の介護負担は増し、本人も不安だと思う」と持論を展開。「独居など状況によってはヘルパーの支援も必要。介護人材の有効活用の観点からもいかがなものか」と異論を唱えた。