ケアプラン事例集:【居宅】多訴の利用者様の本当のニーズを探る - 家族

アセスメント概要

 

事例タイトル 【居宅】多訴の利用者様の本当のニーズを探る - 家族 -
事例提供理由
(検討したい内容等)
多訴で、ドクターショッピングを繰り返すKさんに、安定した気持ちで在宅生活を送ってほしいと思い、家族関係の調整と生活の質の改善を目標に計画をたてた。
家族の中で孤立しているKさんの現状を改善するにはこれでいいのかいう思いがあり、検討してほしいと考えた。
標準項目名
  1. 初回受付:2ヶ月前  氏名:K様 80歳 女性
  2. 2人姉弟、都内の自営業の家に生まれる。
    女学校卒業後、会社勤めを50歳まで続けていた。
    結婚歴なし。両親、弟との生活。
    やがて弟が結婚し、両親、本人、弟家族との生活になる。
    現在、両親弟ともに亡くなり、弟の妻の介護を受けながら生活している。
  3. 厚生年金(15万/月) 後期高齢者医療
  4. 内科・整形外科 タクシーを利用し、一人で受診。ややドクターショッピングぎみ
    訪問介護 1回/週、通所介護 1回/週、有償ボランティアの支援適宜あり
    福祉用具は自費で特殊寝台のレンタル
1.利用者の基本情報
2.生活状況、生活歴
3.被保険者情報
4.現在のサービス
(およびケアの状況)
5.高齢障害者の日常生活自立度 A1ランク 6.認知症高齢者の
日常生活自立度
理解力の低下はあるものの自立
7.主訴
本人:
腰痛が辛い。
自由に歩けるようになりたい。
できないことを手伝ってほしい。
家族:
もともと自分勝手な人であり、要求が多い。
なんとか介護しているが、自分も高齢であり負担が重い。
8.認定情報 要介護1
9.アセスメントの理由 腰痛、歩行障害、筋力低下でできないことが増えてきている。
介護者である弟の妻の負担が重くなり、ストレスが大きくなっている。
これ以上の要求があるならば、一緒に暮らすことができない、との発言あり。
多訴は、家庭の中に自分の「居場所」がない不安感も背景のひとつではないかと考え、家族関係調整も含め、計画を考えた。
10.健康状態 脊柱管狭窄症、腰痛、間欠は行、頚椎症、過敏性大腸症候群 
※本人の納得のいかない診断が多く、あちこちに受診を繰り返している。
11~23項目より
特記すべき項目
両下肢 筋力低下あり。屋内移動はほぼ自立している。
屋外も杖歩行で20メートル程度の歩行が可能。
配膳してあれば食事摂取は自立。
排泄自立。入浴は一部介助が必要。
日中はベッドに端座位、または臥位で過ごす。
通院は自宅前までタクシーを呼んで、一人で通院することができる。
IADLに関しては介助が必要。
週1回デイサービスで入浴しているが、本当は自宅で介助を受けて入浴したいとの希望がある。
他者との交流をあまり好まない。
趣味は山歩きなどで、屋内で行う趣味、気晴らしの手段がない。
弟の妻は、家業と義姉の世話で疲れきっている。
住環境は専用自室、トイレ、簡易キッチンあり。段差はほとんどない。
まとめとプランまでのケアマネの動き 下痢、便秘を繰り返し、服薬調整のために入院をするが、検査の結果、特に疾病がなく、症状が改善しないまま退院となったため、ケアプランを作成することになった。
1ヶ月の入院で、下肢の筋力低下が進み、一人で入浴することが困難になった。
今までは、IADL部分は、弟の妻がすべて介助をしており、大きなストレスになっていた。
血縁の弟は亡くなっており、弟の妻と長男家族が家業を営み、本人の居室は、店舗の裏側にある状態。
退院後、一人でできることが少なくなり、弟の妻を何度となく呼ぶため、家族間の関係も悪化気味になっている。(現在、弟家族は義姉には施設入所をしてほしいと希望している。)
家族関係の調整と、本人の楽しい時間と空間を確保していく必要さを感じ、通所サービスと、訪問介護による、身の周りの整理、掃除、買い物を行うことで、弟の妻の負担の軽減をはかった。
多くの病院で、「気持ちのせい」という診断を受け、鬱屈した思いでいるKさんの辛さに寄り添い、楽しい時間をもってほしい、と通所サービスを提案し通所している。
しかし本心は、自宅で家族の介助を受けて入浴したいと思っている。
また、通所でも他者と交わることを好まず、所在なさげにしているため、この計画でいいのか、という疑問がある。

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