なくそう、障害者の情報格差 新法が成立 情報アクセシビリティ向上へ行政の責務など規定

《 衆院・厚労委(2022年4月撮影)》

障害者が様々な情報をスムーズに取得して十分な意思疎通ができる社会を目指す「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が、19日の衆院本会議で全会一致で可決、成立した。【鈴木啓純】

防災や防犯、福祉、教育、労働、交通、司法手続き、文化芸術などの情報を、誰もがスムーズに取得・利用できる環境が整っているか?

例えば視覚障害や聴覚障害の人の立場から見れば、各種メディアコンテンツも含めてまだまだ課題が多いのが実情だ。国や自治体、事業者にはその改善が求められている。

新法では第1条(目的)で、「全ての障害者が、社会を構成する一員として社会、経済、文化などあらゆる分野の活動に参加するためには、必要とする情報を十分に取得し、円滑に意思疎通を図れることが極めて重要」と説明。相互に尊重し合う共生社会の実現に向けて、「障害者の情報の取得、利用、意思疎通に関する施策を総合的に推進する」と明記した。

 

法律の基本理念としては、

◯ 本人が障害の種類・程度に応じた情報取得などの手段を選択できるようにする

◯ 地域にかかわらず等しく情報取得などができるようにする

◯ 障害者でない人と同じ情報を時間差なく取得できるようにする

 

などを掲げた。こうした理念に則った施策の展開や財政措置などを、国や自治体の責務として規定。また事業者に対しても、障害者が必要とする情報を十分に取得できるよう努めることを要請している。

この法律は超党派の議員連盟が作成したもの。「情報アクセシビリティ」の重要性を訴える当事者団体、支援団体などが、与野党の議員に繰り返し制定を働きかけてきた経緯がある。今後は具体策をどこまで充実させられるかが課題だ。

後藤茂之厚生労働相は18日の衆院厚労委員会で、「厚労省としては本法律を円滑に進め、障害がある方に対する支援の充実に努めたい」と表明。立憲民主党の早稲田ゆき議員は、「中身を具体的に前進させることを要望したい」と強調した。