田中元のニュース解説

◆著者プロフィール 田中 元(たなか はじめ)

昭和37 年群馬県出身。介護福祉ジャーナリスト。

立教大学法学部卒業後、出版社勤務。雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。高齢者の自立・ 介護等をテーマとした取材・執筆・編集活動をおこなっている。著書に『介護事故完全防止マニュアル』 (ぱる出版)、『ホームヘルパーの資格の取り方2級』 (ぱる出版)、『熟年世代からの元気になる「食生活」の本』 (監修/成田和子、旭屋出版) など。おもに介護保険改正、介護報酬改定などの複雑な制度をわかりやすく噛み砕いた解説記事を提供中。

感染急拡大下、「応援人員が足らない」 という状況も想定した一手を

新型コロナウイルスをめぐっては、高齢者介護施設等におけるクラスター発生も再び二桁台に上りました。一昨年来、繰り返し訪れる感染拡大の中で、介護サービス基盤をどう守っていくのかはますます大きな課題です。 事業者団体はさらなる待期期間短縮を要望 …

10月からの新たな処遇改善策にも コロナ禍での視点は不可欠

2022年初となる介護給付費分科会が開かれ、10月からの継続的な処遇改善に向けた「介護報酬上でのしくみ」が提案されました。イメージ的には、新たな処遇改善加算という位置づけです。果たして、現場の従事者が「改善」を実感できる施策となるのでしょうか 濃…

感染急拡大下でのケアマネ 過去の臨時的取扱いだけで対応は可能か?

新型コロナウイルスの感染が再び急拡大する中、厚労省のアドバイザリーボード(専門家による対策助言のための会合)でも、「介護現場における感染や濃厚接触による職員の離脱」が大きく広がることを危惧しています。サービス休止等の拡大も懸念される中、ケ…

オミクロン株の感染拡大で 未曾有の「サービスSTOP」が訪れる!?

年明けから、再び新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。年末年始での宴席や移動等の増加に加え、感染力の強いオミクロン株の割合上昇等が要因と指摘されています。一部地域では、医療機関のみならず介護現場のサービス提供にも影響が及びつつありま…

居宅介護支援事業所、昨年度4万件割れ 背景は? これからどうなる?

2020(令和2)年度の介護サービス施設・事業所調査の結果が公表されました。地域密着型通所介護が200近く減るなど、やはり新型コロナ禍の影響が伺えます。同時に気になるのは、居宅介護支援事業所の大幅減。2014年度以来となる4万件割れとなりました。 介…

2020年度の高齢者虐待実態調査。 現場も注視したい3つの課題

高齢者虐待防止法にもとづく、2020(令和2)年度の高齢者虐待実態調査の結果が公表されました。養介護施設従事者等による虐待については、相談・通報件数、虐待判断件数ともに対前年度比で減少。一方、養護者(家族等)による虐待については、いずれも2006…

人員配置等の基準緩和。 制度として進める前に必要なこと

人員配置基準を4:1に緩和する。ユニット型特養の1ユニットあたり定員を「おおむね15人以下」とする──政府の規制改革推進会議・医療・介護WGで、法人・自治体側によるプレゼンで提案された改革案です。現場側からの発案という点で、大きな意味を持ちます。 …

公的価格評価検討委員会の中間整理、 期待すべきポイントは?

2022年2月からの処遇改善策(処遇改善にあてた分の補助金支給は6月より)の後、10月からの恒久的な対応策はどうなるのか──その方向性を示した「公的価格評価検討委員会」の中間整理が、12月21日に公表されました。注目したいポイントを取り上げます。 現場…

ケアマネにも関係。 通いの場等の推進に向け、今必要なこと

新型コロナウイルスの感染については、オミクロン株による国内の市中感染例が認められるなど、再び予断を許さない状況が迫りつつあります。そうした中、感染防止に配慮した「通いの場等の取組みを実施するための留意事項」について、厚労省が通知を出しまし…

介護保険外の制度見直しが続々。ケアマネ実務への影響は?

2021年度補正予算案が衆議院を通過しましたが、2月からの月額平均9000円アップの施策について、居宅介護支援は含まれないままです。その分、10月からの処遇改善策に注目が集まります。ポイントは、これから先の「多様な制度変更」も含めて、ケアマネ実務を…

新給付・排泄予測支援機器とケアマネジメント

在宅でどのような使い方が想定されるのか、使用に際しての課題はどこにあるのか──。12月8日の介護給付費分科会で、福祉用具購入費の対象として新たに「排泄予測支援機器」が加わりました。居宅のケアマネとして考えておきたいテーマについて取り上げます。 …

2月賃金増から外れた職種、今後の展開は?

2021年度の補正予算案で、2022年2月からの介護従事者の収入引き上げ策(同年9月までの間、月額9000円のアップ)が盛り込まれました。社会保障審議会・介護給付費分科会でも、その概要報告が示されています。居宅のケアマネなど対象とならない職種も目立つ…

求められる、介護側のオンライン対応評価

厚労省が、「オンライン服薬指導」にかかる施行規則の一部改正案を示し、パブリックコメントを募集しています。対面による服薬指導を実施していないケースでも、条件付きでオンラインによる指導を認めることなどが中心です。また、新たに「介護施設等の居住…

真の処遇改善に向けて財源確保の行方は?

介護従事者等の処遇改善のあり方を議論する「公的価格評価検討委員会(以下、検討委員会)」の設置を受け、さまざまな職能・事業者の団体が要望書や意見書を政府に提出しています。第2回の検討委員会では、それらの意見書等の中から主だったものが資料とし…

ケアマネを医療機関が取り込む時代へ?

11月12日、2022年度診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会(中医協)では、ケアマネにとって注目すべきテーマが取り上げられました。ケアマネ側の入院時情報連携加算など、対医療連携のしくみと深くかかわる「入退院支援加算」です。ケアマネの実務に…

処遇改善「柔軟な運用」の中身がポイント

2021(令和3)年度の厚労省の補正予算案が示されました。介護現場にとって注目は、言うまでもなく「2022年2月から収入を3%程度(月額9000円)引き上げる」措置です。介護職以外の賃金引上げも視野に入る中、具体的にどのような方法がとられるのでしょう…

ケアマネ処遇のカギは ケアマネジメントの再評価に

政府が過去最大の55.7兆円におよぶ経済対策を閣議決定し、「公的部門における分配機能の強化」として「介護従事者等の収入の引き上げ」が掲げました。この動きを受け、さまざまな職能・業界団体による政府への要望も活発になっています。今回の施策において…

介護福祉士目指す人が増えた草の根背景

公益社団法人・日本介護福祉士養成施設協会(介養協)が、2021(令和3)年度の介護福祉士養成施設の入学者数や定員充足度等に関する調査結果を公表しました。それによれば、前年度から入学者数は135人増に。コロナ禍で外国人留学生等が減少する一方、日本人…

「負担の担い手」をめぐる国民の意識は?

国民の社会保障への意識はどうなっているか。負担増をどう考えているか──これらを示したのが、厚労省の「社会保障に関する意識調査」の報告書です。同様の調査は3年に2回のペースで行なわれていますが、今回は2019年7月時点での調査となります。 消費増税…

必要なのは過去の処遇改善策の効果検証

第2次岸田内閣の発足とともに、政権の重点目標の一つである「介護・看護・保育などの現場で働いている人々の収入を増やす」を目指した取組みがスタートしました。施策の方向性を検討するのが、公的価格評価検討委員会です。注目したい点を整理します。 とり…

コロナ禍で揺れた介護・医療の住み分け

2020年度の介護給付費実態統計では、新型コロナの感染拡大の影響から通所系・短期入所系サービスの受給者が大幅に減少しました。一方で、受給者数が大きく伸びたサービスもあります。たとえば訪問看護や居宅療養管理指導、看護小規模多機能型など。いずれも…

レスパイト利用急減下での世帯状況

2020年度の介護給付費実態統計が公表されました。2020年5月~2021年4月の審査分による、介護給付の受給者数などを示したものです。以降の月報はまだ示されていないので、今年中盤の感染急拡大の影響は反映されていません。とはいえ、新型コロナ禍での介護…

医療と介護の訪問看護の位置づけ

2022年度の診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会(中医協)での議論が続いています。在宅療養で大きなカギになると言えば、やはり訪問看護です。介護保険との兼ね合いも論点となりがちな資源ですが、今回の「医療保険側の見直し」が2024年度の介護…

2040年につなげる「今の一手」

今回は、少し未来の話を取り上げます。ターゲットとなるのは2040年。この前後に、いわゆる団塊ジュニアが65歳以上に到達します。その時に、高齢者介護はどうなっていくのでしょうか。「実感がわかない」という人も多いでしょうが、実は今の介護現場をめぐる…

コロナ禍の余波、これからが注意

新型コロナウイルス感染症の陽性者数・重症者数は大きく減少しましたが、介護現場はまだ強い緊張感に包まれています。長期化したコロナ禍が、法人経営にも少なからぬダメージを与える中、現場運営にはこれからもさまざまな影響が及ぶことが見込まれます。 サ…

これからのケアマネ処遇のあり方

2021年度の介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数が公表されました。前年度比で7900人以上の伸びとなり、受験資格の変更によって急減した2018年度以降では、初の5万人台に回復しています。とはいえ、急減前と比較してまだ半分以下という数字です。 2021…

外来→訪問の流れとケアマネ実務

2022年度の診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会(中医協)の議論が、具体化の領域に入ってきました。10月13日の会合では、在宅医療にかかるテーマとして、患者が外来診療から訪問診療へと移行した場合の連携などが課題として取り上げられました。 入…

「現役世代の負担」とは何か?

日本経済団体連合会(経団連)が、「今後の医療・介護制度改革に向けて」と題した提言を公表しました。その中心には、「今後の高齢化や現役世代の減少のさらなる進行」により、「高齢者の医療・介護給付費の増加は現役世代の保険料の伸びにもつながる(可処…

新首相が目す処遇改善の制度設計

岸田文雄首相が就任後初の所信表明演説で、介護従事者等の賃上げに向けて「公的価格を抜本的に見直す」としました。具体策として、「公的価格評価検討委員会(仮称)」の設置を表明しています。実際にどのような施策が展開されるのかについて掘り下げます。 …

訪問介護が果たす「重大な役割」

10月から、新たなケアプラン検証のしくみがスタートしました。今回の検証プランの抽出基準の一つに、訪問介護の位置づけ割合が含まれています。その検証に際し、求められることは何でしょうか。地域で求められる「訪問介護の役割」という視点から掘り下げま…

在宅のおむつ支給等のこれから

今年9月21日に出された「2021年度の地域支援事業実施要綱の改正点」の中から、任意事業の一つ「介護用品(紙おむつなど)の支給にかかる事業」の見直しを改めて取り上げます。ご存じのとおり、2015年から廃止・縮小に向けた流れとなりましたが、激変緩和措置…

LIFE活用、当事者参加を忘れるな

社会保障審議会・介護給付費分科会で、2021年度介護報酬改定の効果検証等にかかる調査方法の議論が進んでいます。改めて注目したいのが、「LIFEを活用した取組み状況」について。調査票の内容等をもとに、これからの科学的介護に必要なビジョンを整理します…

0.1%特例の切り替え。その先を注視

2021年度の介護報酬改定で、新型コロナへの対応策として特例的に「基本報酬への0.1%上乗せ」が図られました、その特例期限(9月末まで)が迫る中、継続されるか否かなどの対応に注目が集まっていました。厚労省が示したのは「継続」ではなく「地域医療介護…

総合事業緩和と利用者の選択権

2021年4月より新たな介護報酬・基準が適用されています。と同時に、地域支援事業においても、新年度から新要綱が施行されました。その要綱見直しにかかる新旧対照の条文が、9月21日付けで改めて示されています。注意したいのは、ケアマネジメントとの関連で…

受験料値上げで拡大する地域格差

来年初頭に実施される三福祉士(介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士)の国家試験の受験料が、引き上げられました。引き上げ額の大きさから受験者数への影響が懸念されています。そうした中、兵庫県明石市が値上げ分の支給を行なうとしました。 介護福祉…

新プラン検証にどう向き合うか

10月1日より施行される、新たなケアプラン検証に向けた届出の基準が告示されました。具体的な基準(区分支給限度基準額に対する割合、サービス費総額に対する訪問介護の割合)は、7月28日の介護給付費分科会で提示された案の通りとなりました。 当然ながらケ…

ケアマネとLIFEの関係上の注意点

2021年度の介護報酬・基準改定をめぐる調査検討のための様式や要綱が示されました。ケアマネとして注目したいのは、居宅介護支援等における「LIFEの活用可能性」の検証に向けたモデル調査が含まれていることです。 今改定では、ケアマネにもLIFE関連の規定 …

慰労金の再支給は実現するか

介護系の事業者団体が、新型コロナウイルス感染症対策にかかる要望書を、厚労省あてに続々と提出しています。今年9月末に期限を迎える「基本報酬の上乗せ特例」の延長、あるいは「現場従事者への慰労金」の再支給など。果たして実現されるのでしょうか。 予…

訪問介護の危機は社会保障の危機⁉

介護労働安定センターが、2020年10月に実施した「令和2(2020)年度介護労働実態調査」の結果概要を公表しました。注目されるのが、訪問介護員のうち「65歳以上」が25%以上を占めるというデータです。訪問介護員の不足状況が8割を超えている状況も含め、訪…

コロナ後の給付費増より深刻なこと

介護保険事業状況報告の最新の年報が公表されました。「最新」ではありますが、実際は2019年度(要介護・要支援認定者数などは2020年3月末)の数字となっています。つまり、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する前の状況ということになります。 今回示…

概算要求、問われているのは?

2022(令和4)年度・厚労省予算の概算要求が出されました。新型コロナ禍で医療・介護ともに設備や人員のひっ迫度が高まる中、思い切った施策も求められる点で注目が集まっています。特に中長期的にも深刻度を増している介護人材の確保についてチェックします…

診療報酬特例さらに拡大。介護は?

新型コロナウイルス変異株の感染拡大により、全国規模での病床ひっ迫が深刻化しています。そうした中、8月26日の中央社会保険医療協議会(中医協)で入院診療にかかるさらなる報酬上の特例案が示され、了承されました。在宅診療・看護、および介護側の評価…

釈然としない自宅待機ルール緩和

新型コロナ禍による介護人材不足が、ますます深刻化しています。その状況下、8月18日、日本医師会や全国老人福祉施設協議会など、医療・介護7団体が連名で厚労大臣あてに要望書を提出しました。「新型コロナウイルス感染症における濃厚接触者となった医療従…

従事者による暴行等の背景に何が?

今年に入り、施設等での介護従事者による暴行事件などが相次いでいます。もちろん、いずれもごくまれなケースであり、業界としては「大多数の従事者は良識をもって利用者と向き合っている」と強調したいところでしょう。とはいえ、これだけのケースが報道さ…

高齢者の地域安全がますます重要に

消費者庁が、「自動ドアによる事故」についての原因調査報告書を取りまとめました。医療・福祉施設での多発や、被害者が高齢者にもおよぶことから、厚労省も介護保険関連団体等に対して、今回の報告書にかかる周知を求めています。これを入口としつつ、高齢…

介護をめぐるオンラインの行方

新型コロナ禍で、懸念されるのが高齢者のADLや認知機能の低下です。最新の厚生労働白書でも、高齢者の活動時間の低下や社会参加機会の減少などにスポットを当てています。たとえば、高齢者の生活にオンラインツールなどをどのように浸透させていくかといった…

介護医療院の今後を左右するもの

介護医療院が誕生して、まもなく3年半が経過します。今年3月末時点での施設数は572、療養床数は3万5,442にのぼっています。その1年前と比較して、前者・後者ともに約1.6倍前後の伸びとなりました。2023年度末の介護療養病床廃止までに、介護医療院は必要…

原則自宅療養、介護への影響は?

新型コロナウイルス変異株の感染が急拡大する中、政府は「緊急的な患者療養の考え方」を示しました。「自宅療養」を基本とし、「入院対象者」を重点化するという措置です。当初、入院対象者の基準や対象地域が明確でなかったことで大きな混乱が生じました。…

コロナ禍で踏ん張る現場の耐久力

新型コロナ禍での介護事業や人材の状況はどうなっているか──公益財団法人・介護労働安定センターが、昨年末から今年初頭にかけて実態調査を行ないました。調査時期は、最初の緊急事態宣言から半年が経過したタイミングです。見えてくるものは何でしょうか。 …

新プラン検証で懸念されること

7月28日の介護給付費分科会で、「居宅介護支援事業所単位で抽出するケアプラン検証」に向けた対象事業所案が示されました。2021年度の居宅介護支援の運営基準改定を受けて、新たなケアプラン検証が10月にスタートします。その対象要件を示したものです。 改…