特定事業所加算算定を応援!

会議・研修資料集

週1回の会議の進め方


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特定事業所加算とは

特定事業所加算とは、中重度者や支援困難なケースに対しての積極的な対応や、専門性の高い人材の確保、質の高いケアマネジメントを実施している事業所を評価し、地域における居宅介護支援事業所のケアマネジメントの質の向上を目的とした加算です。

要件の違いにより(Ⅰ)、(Ⅱ)、(Ⅲ)および(A)の区分があります。((A)は小規模事業所が他事業所との連携により体制を確保し算定できる区分です)。

この記事では、特定事業所加算の単位数、各算定要件※についてをまとめ、また算定用件である「定期的な会議」「個別研修」に役立つ資料をご案内しています。ぜひ最後までお読みください。

※「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成 12 年厚生省告示第 20 号) 」「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成 12 年老企第 36号) 」の内容に基づき作成したものです。

特定事業所加算算定要件早見表

特定事業所加算算定用件を早見表にしたものです。ご自分の事業所についてのチェックにお役立てください。

居宅介護支援 特定事業所加算 早見表
※連携可は他事業所との連携で実施が可能なもの
A
1 常勤かつ専従の主任介護支援専門員を2名以上配置      
2 常勤かつ専従の主任介護支援専門員を1名以上配置  
3 常勤かつ専従の介護支援専門員を3名以上配置    
4 常勤かつ専従の介護支援専門員を2名以上配置      
5 常勤かつ専従の介護支援専門員を1名以上、非常勤の介護支援専門員を1名以上配置(非常勤は他事業所との兼務可)      
6 利用者に関する情報やサービスの提供にあたって、留意事項などの伝達を目的とした会議を定期的に開催している(週1回以上)
7 24時間連絡体制を確保し、必要に応じて利用者などからの相談に対応できる 連携可
8 算定月の要介護3~5の者の割合が40%以上(地域包括支援センターから紹介された支援困難事例は計算対象外)      
9 介護支援専門員に対し計画的に研修を実施(年間の個別研修計画を作成。研修目標の達成状況を適宜評価・改善措置の実施) 連携可
10 地域包括支援センターと連携し、支援が困難な事例にも居宅介護支援を提供している
11 地域包括支援センターや他法人と協働で開催する事例検討会(または研究会)などに参加している
12 運営基準減算または、特定事業所集中減算の適用を受けていない
13 介護支援専門員1人(常勤換算)の利用者数(介護予防含む)が40名未満(居宅介護支援費Ⅱを算定している場合は45名未満)
14 介護支援専門員実務研修における実習等に協力または協力体制を確保 連携可
15 他法人と共同で事例検討会、研究会等を実施 連携可
16 必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービスを含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成している

 

人材要件

特定事業所加算(Ⅰ)、(Ⅱ)、(Ⅲ)および(A)の各区分により、決められた数以上の「主任介護支援専門員」・「介護支援専門員」の配置が必要です。以下が各区分の必要配置人員です。

特定事業所加算(Ⅰ)

  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の主任介護支援専門員を 2名以上配置
  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員を 3名以上配置 

※「専ら提供に当たる」とは、サービス提供時間帯を通して、そのサービス以外の職務に従事しないことを指します。

 

ここがポイント!
常勤かつ専従の介護支援専門員3名に加えて、常勤かつ専従の主任介護支援専門員を2名置かなければならない。
主任ケアマネ2名ケアマネ3合計5名以上
常勤かつ専従で配置する必要があります。

特定事業所加算(Ⅱ)

  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の主任介護支援専門員を 1名配置
  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員を 3名以上配置

※「専ら提供に当たる」とは、サービス提供時間帯を通して、そのサービス以外の職務に従事しないことを指します。

 

ここがポイント!
常勤かつ専従の介護支援専門員3名に加えて、常勤かつ専従の主任介護支援専門員を1名置かなければならない。
主任ケアマネ1名ケアマネ3名合計4名以上
常勤かつ専従で配置する必要があります。

特定事業所加算(Ⅲ)

  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の主任介護支援専門員を 1名配置
  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員を 2名以上配置

※「専ら提供に当たる」とは、サービス提供時間帯を通して、そのサービス以外の職務に従事しないことを指します。

 

ここがポイント!
常勤かつ専従の介護支援専門員2名に加えて、常勤かつ専従の主任介護支援専門員を1名置かなければならない。
主任ケアマネ1名ケアマネ2名合計3名以上
常勤かつ専従で配置する必要があります。

特定事業所加算(A)

  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の主任介護支援専門員を 1名配置
  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員を 1名以上配置
  • 専ら指定居宅介護支援の提供に当たる常勤の介護支援専門員を 常勤換算で 1以上配置

※「専ら提供に当たる」とは、サービス提供時間帯を通して、そのサービス以外の職務に従事しないことを指します。

 

ここがポイント!
常勤かつ専従の介護支援専門員1名、常勤換算方法で1以上となる介護支援専門員に加えて、常勤かつ専従の主任介護支援専門員※を1名置かなければならない。
常勤主任ケアマネ1名常勤ケアマネ1名常勤換算でケアマネを1以上常勤換算で3以上
専従で配置する必要があります。
※常勤換算の介護支援専門員は、他の居宅の職務との兼務が可能です。ただし事業所が他の居宅と連携をしている場合は、連携をしている居宅との兼務に限ります。
どんな記録を残せばいい?

主任ケアマネ・ケアマネがそれぞれ規定時間勤務していることがわかる資料が必要になります。以下は一例です。

  • 従業者の勤務の体制及び勤務形態が分かる資料(勤務時間がわかる勤務表、出勤簿など)
  • 主任介護支援専門員研修修了証書 (写しでも可)
  • 介護支援専門員証 (写しでも可)

 

週1回以上の定期的な会議の開催

利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした
会議の定期的な(おおむね週1回以上)開催が必要です。
また、会議の議題については、少なくとも次のような議事を含めてください。

(1) 現に抱える処遇困難ケースについての具体的な処遇方針
(2) 過去に取り扱ったケースについての問題点及びその改善方策
(3) 地域における事業者や活用できる社会資源の状況
(4) 保健医療及び福祉に関する諸制度
(5) ケアマネジメントに関する技術
(6) 利用者からの苦情があった場合は、その内容及び改善方針
(7) その他必要な事項

議事については、記録を作成し、2年間保存してください。
また、会議はWEB会議ツールなどを活用して開催することが出来ます。

 

ここがポイント!
  • 週1回以上の「定期的な会議」の開催が必要です。
  • WEB会議ツールなどを使っての参加も可能です。
  • 会議には少なくとも上記7項目のような内容を含めてください。
  • 会議の議事録は必ず作成し、2年間保存してください
  • 会議は基本的に全員参加し、欠席者は議事録を確認してください。
どんな記録を残せばいい?

「週1回以上の定期的な会議」が「上記(1)~(7)の内容を含んで」開催されていることがわかる資料が必要です。以下は一例です。

  • 定期的な会議の議事録(開催日時・出席者・欠席者・議事内容等を忘れずに記入)
  • 欠席者が議事録を確認した記録(サイン、捺印など)

週1回の会議の進め方

24 時間連絡体制の確保

24時間常に、担当者が携帯電話等により連絡可能な体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保する必要があります。
事業所のケアマネの輪番制による対応等も可能です。

 

ここがポイント!
特定事業所加算(A)の場合、携帯電話等の転送による連携先の事業所との連携対応も可能ですが、連携先事業所の利用者に関する情報を共有することから、秘密保持等に関する基準の規定の遵守とともに、連携事業所の利用者又はその家族に対して、特定事業所加算(A)の内容について理解できるよう説明を行い、同意を得てください。
どんな記録を残せばいい?

24時間連絡体制が具体的にわかる資料、および特定事業所加算の内容を利用者に説明し同意を得たことがわかる資料が必要です。以下は一例です。

  • 24時間連絡可能な電話番号、担当者がわかる資料(輪番の場合は、当日の担当がわかる勤務表や輪番表など)
  • 連絡を受けた場合の対応方法がわかるマニュアル等(時間外に連絡を受けた場合の対応方法が明記されているもの)
  • 特定事業所加算(A)の場合、連携先事業所の利用者又はその家族に、特定事業所加算の内容も説明し、同意を得たことが確認できる書類

 

利用者の状況 ※特定事業所加算(Ⅰ)

特定事業所加算(Ⅰ)の場合、算定日が属する月の利用者の総数のうち、要介護状態区分が要介護3~5である者の占める割合が40%以上である必要があります。その割合を確認し、記録してください。

 

ここがポイント!
  • 「地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介された場合」に該当するケースについては、例外的に40%要件の枠外として取り扱うことが出来ます。
  • 「特定事業所加算を算定する事業所」として、この割合を満たすのみでなく、それ以外のケースについても、常に積極的に支援困難ケースを受け入れてください。          
どんな記録を残せばいい?

利用者の総数のうち、要介護3~5の割合が40%以上であることがわかる資料(包括からの困難事例受け入れは除く)が必要です。以下は一例です。

  • 毎月の総利用者数(総利用者数、要介護3、要介護4、要介護5の利用者の割合等)

※「包括からの困難事例受け入れ」は計算に含めないため、総利用者と各要介護度の人数のうち紹介事例者が何名なのか分かるように記録し、40%の計算には含めないでおきましょう。

 

計画的な研修の実施

特定事業所加算を算定している事業所は、介護支援専門員ごとに個別「特定事業所加算に係る計画的な研修」の計画をあらかじめ作成し、計画的に研修を実施しなければなりません。

また、管理者は介護支援専門員ごとの能力や経験を踏まえて「個別の目標」を決定、その目標を達成するための「個別の研修計画」を立案し、目標の達成状況についても適宜確認し、必要に応じて改善措置を講じてください。

 

ここがポイント!
  • 年度ごとの研修計画は、研修実施年度が始まる前に作成されていることが必要です。忘れずに作成し、作成年月日を記入しましょう。
  • ケアマネ1名ごとに「個別の研修計画」を定めてください。
  • ケアマネの能力・経験を踏まえたうえで具体的な研修目標を定め、目標達成のための研修計画を立ててください(個別目標・研修内容・研修期間・研修実施時期等)。
  • 特定事業所加算(A)を算定する事業所については、連携先事業所との共同開催による研修実施も可能です。
どんな記録を残せばいい?

年度が始まる前に作成された「個別の研修計画」とその研修を実施した「実施記録」が必要です。以下は一例です。

  • 個別研修計画表(研修実施年度が始まる前に作成したもの)
  • 研修実施記録(研修資料があれば資料も添付する)

 

地域包括支援センターから紹介された困難事例の受け入れ

日頃より地域包括支援センターとの連携を図り、地域包括支援センターから支援が困難な利用者を紹介された場合においても、当該支援が困難な事例に係る者を積極的に受け入れ、指定居宅介護支援を提供する必要があります。

 

ここがポイント!
困難事例の紹介があった場合に受け入れできる体制を整備してください。
積極的に支援困難ケースを受け入れるために普段から地域包括支援センターを連携を図ることも必要です。
どんな記録を残せばいい?

困難事例を受け入れた際の記録が必要です。以下は一例です。

地域包括支援センターから困難事例を受け入れた際の経緯、その対応についての記録等

地域包括支援センター等が実施する事例検討会への参加

地域にある居宅介護支援事業所のケアマネジメントの質の向上のため、地域包括支援センター等が実施する「事例検討会等」に積極的に参加する必要があります。

 

ここがポイント!
「地域包括支援センター等が実施する事例検討会等」については、各自治体で独自の事例検討会が開催されているケースや、「それが事例検討会等にあたるかどうか」自治体で判断することもあるようです。不明な点は事業所のある保険者へ直接確認するとスムーズでしょう。
どんな記録を残せばいい?

事例検討会等に参加した際の記録が必要です。以下は一例です。

事例検討会等参加報告書、事例検討会で使用した資料等

運営基準減算又は特定事業所集中減算の適用を受けていないこと

質の高いケアマネジメントを実施する事業所として、居宅介護支援費に係る運営基準減算又は特定事業所集中減算の適用を受けていないことが求められます。

 

ここがポイント!
特定事業所加算の趣旨を踏まえ、単に減算の適用になっていないのみならず、特定事業所加算の趣旨を踏まえた、中立公正を確保し、実質的にサービス提供事業者からの独立性を確保した事業所である必要があります。
どんな記録を残せばいい?

特定事業所集中減算の適用ではないことがわかる記録が必要です。以下は一例です。

居宅介護支援における特定事業所集中減算チェックシート

指定居宅介護支援の提供を受ける利用者数が規定数未満であること

指定居宅介護支援事業所において指定居宅介護支援を受ける利用者数が、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員1人当たり40名未満(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は45名未満)である必要があります。

ここがポイント!
取り扱う利用者数については、原則として事業所単位で平均して介護支援専門員1名当たり40名未満(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は45名未満)であれば差し支えありませんが、不当に特定の者に偏るなど、適切なケアマネジメントに支障がでることがないよう配慮することが必要です。
居宅介護支援以外(介護予防サービス、介護予防・日常生活支援総合事業利用)の利用者数は含まれません。
どんな記録を残せばいい?

利用者数が確認できる記録が必要です。以下は一例です。

介護給付費請求書(国民健康保険団体連合会に提出したもの) など

ケアマネ実務研修における実習への協力または協力体制の確保

介護支援専門員実務研修における科目「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習」等に協力、または協力体制を確保している必要があります。

ここがポイント!
協力または協力体制とは「現に研修における実習等の受入が行われていることに限らず、受入が可能な体制が整っていること」をいいます。そのため、研修の実施主体との間で実習等の受入を行うことに同意していることを、書面等によって提示できるようにしておくことが必要です。
特定事業所加算(A)を算定している事業所は、連携先居宅介護支援事業所との共同による協力及び協力体制も可能です。
どんな記録を残せばいい?

ケアマネ実務研修における実習への協力、または協力体制を確保していることが確認できる書類が必要です。以下は一例です。

都道府県のケアマネ実務研修実施団体から通知される「実習受入登録決定通知書」など

他法人と共同で事例検討会、研修会等の実施

特定事業所加算算定事業所は、質の高いケアマネジメントを実施する事業所として、地域における居宅介護支援事業所のケアマネジメントの質を牽引する立場にあることから、同一法人内に留まらず、他の法人が運営する事業所の職員も関わった事例検討会等の取り組みを、自ら積極的に実施する必要があります。

ここがポイント!
事例検討会、研修等の内容、実施時期、共同で実施する他事業所等について、毎年度、少なくとも次年度が始まるまでに計画を策定してください。
特定事業所加算(A)を算定する事業所については、連携先事業所との協力による研修会等の実施も可能です。
他の法人が運営する居宅介護支援事業者と共同での事例検討会、研修会等については、市町村や地域の介護支援専門員の職能団体等と共同して実施した場合も評価の対象となります。ここでいう共同とは、2 法人以上が参画していることで、市町村等と共同して実施する場合であっても、他の法人の居宅介護支援事業者が開催者又は参加者として事例検討会等に参画することが必要です。
どんな記録を残せばいい?

年度ごとの事例検討会・研修計画および実施記録(他法人との協力体制がわかるもの)が必要です。以下は一例です。

  • 事例検討会、研修会等の年度計画(年度が始まる前に作成されたもの)
  • 事例検討会、研修会等の実施記録

包括的に日常生活全般を支援する居宅サービス計画の作成

『必要に応じて、多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスが包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること』が必要です。

ここがポイント!
多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスとは、
市町村保健師等が居宅を訪問して行う指導等の保健サービス
老人介護支援センターにおける相談援助及び市町村が一般施策として行う配食サービス
寝具乾燥サービスや当該地域の住民による見守り、配食、会食などの自発的な活動によるサービス
上記のサービスと併せて提供される
精神科訪問看護等の医療サービス、はり師・きゅう師による施術
保健師・看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練 など
をいいます。
多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスの必要性を検討した結果、そうしたケアプランが事業所内に1件も無かった場合は、位置づけなかった理由を説明できるようにしておくことが必要です。
どんな記録を残せばいい?

多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスが位置づけられた居宅サービス計画が必要です。以下は一例です。

  • 多様な主体により提供される利用者の日常生活全般を支援するサービスが包括的に提供されている居宅サービス計画
  • 上記サービスを居宅サービスに位置づけなかった場合、その理由の記録