高齢者の「通いの場」、参加率向上など論点に 社保審介護保険部会

イメージ画像社会保障審議会 介護保険部会(第97回 9/12)《厚生労働省》

2024年度の介護保険制度改革に向け、社会保障審議会・介護保険部会は12日、地域包括ケアシステムのさらなる深化や推進をテーマに引き続き議論した。この日の論点は、高齢者が集う「通いの場」の参加率の向上策などで、介護予防策としての「通いの場」の取り組みを進めるべきだが、同時にフレイルなどでそれに参加できない高齢者への対策も講じる必要があるとの意見が出た。

住民が主体となって実施する「通いの場」の取り組みは、介護予防・日常生活支援総合事業のうち、一般介護予防事業の中で進められている。取り組み内容で最も多いのが体操(運動)で、次いで多いのは趣味の活動や茶話会など。

13年度に全国で約4.3万カ所(参加率2.7%)あった「通いの場」は年々増え続け、19年度には約12.9万カ所(6.7%)に増加。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、2000年度は約11.4万カ所(5.3%)に減った。

厚生労働省は、新型コロナの感染防止に配慮した「通いの場」の取り組みを実施するための広報などを行ってきたが、その再開や参加を促すための取り組みのさらなる強化が必要だとしている。

12日の部会で厚労省は、「通いの場」に関する論点として、感染防止対策を図りつつ、「通いの場」の活動再開や参加率の向上を推進するための方策を挙げた。また、閉じこもりやフレイルなどで「通いの場」に参加していない高齢者を介護予防や見守りの取り組みにつなげるための方策も論点とした。

議論では、齋藤訓子委員(日本看護協会副会長)が、コロナ禍で減った「通いの場」は、感染防止対策をさらに周知すれば徐々に活性化されると説明。フレイルなどで参加できない高齢者への対応については、さまざまな成功事例を横展開することが重要だと指摘した。

全国老人保健施設協会会長の東憲太郎委員も、高齢者がフレイルやその前段階の「プレフレイル」にならないために、「通いの場」は非常に重要な取り組みだと強調。ただ、既にフレイルの状態の人が参加するのは難しいことから「効果的かつ、適切なプレフレイル・フレイル対策を介護予防の中に組み込んでいくべきだ」と主張した。

このほか、相談やアウトリーチなどの機能を備えた発展性のある「通いの場」は今後、非常に意味のある取り組みになるとの意見も出た。

厚労省がこの日の部会で示した論点は、「通いの場」のほか、▽認知症施策の推進▽総合事業の多様なサービスの在り方▽地域包括支援センターの体制整備▽介護予防ケアマネジメント業務▽保険者事務の広域化・効率化▽行政のデジタル化の推進▽地域包括ケアシステムの構築-などに関するもの。月内に開く次の会合で、介護保険の「給付と負担」などを俎上に載せる予定。