事態は好転するどころか悪化し続けている。そのことが改めて浮き彫りになった。【Joint編集部】
介護労働安定センターは7日、毎年実施している「介護労働実態調査」の昨年度の結果を公表した。
介護職員の過不足の状況を事業所に聞いたところ、「大いに不足」が13.5%、「不足」が22.2%、「やや不足」が34.0%。あわせて69.7%にのぼった。
これは過去10年間で最悪の水準。政府は人材育成への補助や処遇改善など様々な施策を講じているが、不足感が一貫して上昇していくトレンドを変えられていない。
この調査は昨年10月に行われたもの。同月に新設された「特定処遇改善加算」の効果は表れていないとみられる。対象は全国の1万8000事業所。およそ半数の9126事業所から有効な回答を得たという。
不足感を職種ごとにみると、ホームヘルパーが81.2%と最も高い。看護職員は44.4%、ケアマネジャーは30.4%だった。介護職全体でみると65.3%。
不足している原因では、90.0%が「採用が困難」と答えていた。その理由を尋ねたところ、「同業他社との獲得競争が激しい(57.9%)」が最多。「他産業と比べて労働条件が良くない(52.0%)」「景気が良いため人材が集まらない(40.9%)」も多かった。
このほか、昨年度の介護職員、ホームヘルパーの離職率は前回調査と同じ15.4%だった。外国人職員を受け入れている事業所は6.6%となり、前回調査(2.6%)の2.5倍に増加している。