《 日本医師会・中川会長(昨年11月撮影)》
「人権侵害が散見される。至急対策をするよう国に求める」。中川俊男会長は会見でそう危機感をあらわにした。【Joint編集部】
日本医師会は3日、医療従事者に対する“コロナ差別”の実態を把握するために行ったアンケート調査の結果を公表した。
調査は昨年10月から12月にかけて行われたもの。全国の都道府県医師会から698件の被害報告が寄せられた。
看護師など医師以外の医療職の被害が277件で最多。子どもの保育園や親の介護サービスを拒否される事例もあり、本人のみならず家族にも影響が及んでいる深刻な実態が改めて浮き彫りになった。また、医療機関そのものがターゲットになるケースも268件と非常に多かった。
城守国斗常任理事は会見で、「感染症への正しい知識があれば発生しなかった事例もある」と説明。広く国民に対しコロナを正しく恐れて欲しいと呼びかけた。
アンケート結果の概要:差別の被害例
○ 医師以外の医療従事者
美容院の利用を拒まれた、保育園の利用を拒まれた、近隣住民や親戚に避けられた、他の通院患者から「何かあったら責任を取ってもらう」と言われた 等
○ 医療機関
事実無根の風説流布で患者が減った、近隣住民から窓を開けるなとクレームが入った、「職員を外出させるな」と恫喝された 等
○ 医師・医療従事者の家族
学校・職場で暴言を受けた、保育園・学校で子どもが隔離された、介護サービスの利用を拒まれた、子どもの習い事を拒まれた 等
○ 医師
感染者のような対応を受けた、防護服姿を揶揄された 等