介護職の賃上げへ報酬の分配見直しを 財務省提言 処遇改善加算の再検討も

《 鈴木財務相へ建議を手渡す財政審会長ら 》

財政健全化の方策などを話し合う財務省の「財政制度等審議会」が3日、来年度予算案の編成に向けた提言(建議)をまとめた。【Joint編集部】

介護分野にも言及。現場を支える職員の賃上げの必要性を認めたうえで、介護報酬の分配の方法を変えるべきと注文した。既存の処遇改善加算にも触れ、「必ずしも賃上げにつながらなかったとの指摘もある」と再考を促した。

令和4年度予算の編成等に関する建議

「医療・福祉分野で賃金が低いのは保育や介護の現場で働いている方々。女性・非正規問題とも関連が深い」

財務省は建議にそう明記。「国による分配機能を強化し、処遇改善を図ることは意義がある」との認識を示した。

続けて、「日本の医療・福祉分野の労働分配率は他国に比べて相対的に低い」と問題を提起。「診療報酬・介護報酬をはじめ、分配のあり方を見直す必要がある」と主張した。

もっとも、介護報酬全体を引き上げることには極めて慎重な立場をとっている。

財務省は建議の中で、「来年度から団塊の世代が後期高齢者に移行し始め、社会保障給付費の急増が見込まれる」と説明。「受益と負担のアンバランスを是正して制度の持続可能性を高め、特に現役世代の将来不安を払拭し、希望が持てるようにしていくべき」と訴えた。

処遇改善加算については、「事業者の収入にはなっても、必ずしも介護職員の賃上げにつながらなかったとの指摘もある」と分析。「実際の賃上げにつながる実効的な仕組みを構築する必要がある」と意見した。

政府も処遇改善加算、特定処遇改善加算の見直しを賃上げの論点に掲げており、このテーマは次の報酬改定で大きな焦点となる見通しだ。