「実態を無視した暴論」 ケアマネ協会、財務省の介護費抑制策に猛反発

《 日本介護支援専門員協会・柴口里則会長 》

日本介護支援専門員協会は17日、今後の介護保険改革をめぐる財務省の提言に対する声明を公式サイトで発表した。【Joint編集部】

「ケアプランに位置付けたサービスが福祉用具貸与のみのケースは、介護報酬を引き下げるべき」「居宅介護支援にも新たに利用者負担を導入すべき」

財務省の持論だ。先月に開かれた審議会でも、右肩上がりの給付費の抑制につなげる観点から改めて主張した。保険料負担の増大に苦しむ経済界からも、こうした意見に賛成する声があがっている。

今回、協会はこれに強く反発。「暴論」「国民の利益に反する」などと抗議した。

福祉用具貸与のみのケースについては、「何の理由をもって報酬を引き下げるのか不明。ケアマネジメントの簡易性を示すものではない」と批判。「給付管理サービスの数に関わらず、サービス調整に至るまでのプロセスは十分な専門的知識や知見をもってなされるものであって、その対価としての報酬に差異を設けるべきではない」と異論を唱えた。

あわせて、「ケアマネジメントの意義は給付管理サービスの数ではなく、利用者や家族などといかに接して、自立した生活を継続するうえでの課題を明確にし、その解決に向けた社会資源を過不足なく結びつけることにある」と説明。「(財務省の提言は)ケアマネジメント、ひいては現場の実態を無視した暴論と言わざるを得ない」と断じた。

一方、ケアプランの有料化については、「自然とは言い難く、国民の利益に反する施策」と問題を提起。「居宅介護支援はサービスが多様な主体により総合的かつ効率的に提供されるためのセーフティネットとして、全ての利用者が公平に過不足なく支援を受けられる環境を維持していくことが重要。このことは介護保険制度、ひいては社会保障制度の理念の根幹」などと訴えた。

協会は声明の中に、「今後いかにして給付費の伸びを抑制できるかは、私たちも懸念しているところ」とも記載した。そのうえで、「介護支援専門員を中心としたケアマネジメントが円滑に実施されていくことが、自立支援に資する過不足の無い給付を可能とする最善の仕組み。このケアマネジメントを今後も有効に機能させるためには、まずは介護支援専門員の就労環境と社会的地位が良好であるべき」と強調した。