政府、介護費の"見える化"を進める意向 処遇改善とセットで 骨太方針原案

《 5月31日の諮問会議(画像出典:首相官邸HP)》

政府は5月31日の経済財政諮問会議で、今年の「骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)」の原案を明らかにした。【Joint編集部】

様々な政策分野に触れる中で介護にも言及。サービスの基盤を整備して家庭の介護負担を減らしていくため、介護職の更なる処遇改善に取り組んで人材確保を図る必要があるとの考えを盛り込んだ。

あわせて、「費用の見える化などの促進策を講じる」と明記。例えば各種の処遇改善加算など、介護報酬の妥当性を確かめつつ実効性を高める施策を検討していく意向を示した。また、「介護事業者の経営状況に関する全国的な電子開示システムを整備する」とも記した。

一方、膨らみ続ける給付費の抑制策には踏み込んでいない。2024年度の制度改正の骨格を固める時期(今年12月)が迫っているが、高齢者らの負担増に結びつくテーマを扱うことを避けた。

今夏の参院選が念頭にあるとみられる。政府は今回、「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構造を見直す」などの書きぶりにとどめ、「認知症の人への支援を推進する」「孤独・孤立対策を着実に進める」といった言葉を並べた。内閣府の関係者は給付費の抑制策が書かれていないことを問われ、「与党との調整もあってこうした内容になった」と答えた。