4月から本格稼働 業務効率化へ「ケアプランデータ連携システム」を皆で導入しよう!【石山麗子】

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《 国際医療福祉大学大学院・石山麗子教授 》

厚生労働省はこれまで、「ケアプランデータ連携システム」を構築する事業を国民健康保険中央会と進めてきましたが、それが今年4月からいよいよ本格稼働される予定です。【石山麗子】

◆ セキュリティ面も安心

ケアプランデータ連携システムは、まさにその名称どおり、居宅介護支援事業所と他のサービス事業所や施設との間でケアプラン帳票をやりとりするシステムです。

これまでは例えば、毎月のサービス提供票の予定・実績のやりとりは、FAX、郵送、手渡しなどで行ってきました。今後はそれが大きく変わるはずです。

ケアプランデータ連携システムを介すれば電子的に授受できるだけでなく、お互いが使用しているソフトにも情報が自動で入力されます。つまり、単に予定・実績のやりとりを簡単にできるだけでなく、入力の手間まで効率化されます。しかも、要配慮個人情報であるケアプランの情報が安全に取り扱われることも、このシステムを活用する大きなメリットです。

連携システムとしての技術的な配慮も備えています。例えば、パソコンを使っていると送付した情報が相手に届いているのか気になる時もありますよね。かといって受理したことを1件ずつ伝えるとなると、かなりの手間とストレスがかかります。このシステムでは、送付データを相手が受理したことを確認できる仕様になっています。

気になるのは利用料です。介護保険伝送請求(有効な電子証明書を有する事業所)を行っている事業所の場合、1ライセンスあたり年額2万1,000円です。利用契約は1年ごと。費用の徴収方法は、

(1)介護給付費からの差し引き

(2)請求書送付による口座振り込み

の2種類がありますが、(1)が基本となります。

◆ ワークライフバランスの改善にも

もし、ケアプランデータ連携システムが導入されたら、現場の業務はどのように変わるのでしょうか。

現在の居宅介護支援事業所の給付管理業務は、事業所に複数のケアマネジャーがいる場合、全員足並みをそろえて期限までに実績入力を完了し、事業所としての請求を行っています。そこに要するケアマネジャー1人あたりの時間は、およそ5.9時間です

ケアマネジャーにとって給付管理業務を行うことは、時間の問題にとどまりません。月初は利用者宅の訪問よりも給付管理業務を優先する、私用で休みを取りづらいなどもあります。これらは、多くのケアマネジャーにとって当たり前のことかもしれませんが、潜在的なストレスであることは否めません。

また、1月はお正月明け、5月はゴールデンウイークが給付管理の時期と重複しています。ケアマネジャーである限り、この時期に心置きなく休みが取れる日は来ないといっても過言ではありませんでした。ケアプランデータ連携システムが本格稼働されれば、業務効率化と共にワークライフバランスも改善されるでしょう。

◆ 導入に向けた検討を

とはいえ、まだ喜ぶことはできません。

上記の「本格稼働」とは、あくまでもシステムの稼働を意味しているのであって、ケアプランデータ連携システムの恩恵を全て受けられることと同義ではありません。ケアプランデータ連携システムは「連携ソフト」ですから、システム活用自体が連携できなければメリットは生じません。

つまり、地域の大半の居宅介護支援事業所とサービス事業所が活用すればメリットを享受できますが、そうでなければ、従来の方法による作業に変化は生じないのです。

月末・月初の業務負担が重いのは、居宅介護支援事業所だけではありません。サービス事業所も同様です。4月のケアプランデータ連携システムの本格稼働に向けて正しく理解し、地域の連携方法の1つとして取り入れるのか、皆で検討する時期に来ています。

国保中央会では、ケアプランデータ連携システムについてのホームページを開設しているほか、説明会も実施しています。是非、地域のみんなでこれらの情報を共有して、恩恵を享受できるように話し合ってみてはいかがでしょうか。