ニュースリリース・看護職員が経験を活かして就業継続できる環境整備を(3/13)《日本看護協会》
仕事と家族の介護の両立支援の状況によっては看護職員が離職を選ばざるを得ないケースがあるとして、日本看護協会は、育児・介護休業法を改正して介護のための所定労働時間の短縮措置を事業主に義務付けることなどを盛り込んだ要望書を厚生労働省に提出した。働き方の選択肢の拡大が介護離職防止につながることが期待されるとしている。
就業看護職員の平均年齢は44歳を超え、9人に1人が60歳以上になっているといい、日看協では、仕事をしながら家族の介護を行う看護職員が、年齢が上がるほど増えると指摘した。
日看協が2021年に行った「看護職員実態調査」では、家族などの介護を現在していると答えた看護職員の割合が60歳代で17.3%を占め、全年代で最高だった。また、介護のための短時間勤務に病院の8割が対応していることも分かり、日看協では、所定労働時間の短縮措置を義務化する環境が整いつつあるとしている。
23年度の予算・政策に関する日看協の要望は、▽介護のための所定労働時間短縮措置の義務化▽患者や家族などによる迷惑行為対策の義務化▽労働時間等設定改善指針の改正-の3点。
迷惑行為の防止策に関しては、労働施策総合推進法を改正して事業主による実施を義務付けるよう求めた。精神障害に伴う労災の請求と支給決定の件数が看護職員ではほかの職種に比べ多いといい、日看協では、患者・家族による看護職員へのハラスメントの深刻化が一因だと指摘した。
日看協の19年の「病院および有床診療所における看護実態調査」では、看護職員1万5,026人の4割超が暴力やハラスメントなど何らかの被害を過去1年間に受けていた。