
社会保障審議会 介護給付費分科会(第226回 10/2)《厚生労働省》
四病院団体協議会は2日、2024年度の介護報酬改定に向けた要望を、社会保障審議会・介護給付費分科会で示した。光熱費や食材費の急騰に対応するため「食事療養費」の水準を引き上げることや、深刻な労働力不足を背景に人員欠如に関する緩和措置を創設することなどを求めた。
食事療養費については、21年度に基準費用額が見直されたものの、22年以降の光熱費や食材費の急騰に対応できておらず「ほとんどの介護施設で給食部門は赤字に陥っている」と強調。適切な水準への引き上げを強く求めた。
また、18年度の診療報酬改定で、地域包括ケア病棟の在宅復帰先から介護老人保健施設(老健)が除外されたことで、患者の退院先を老健以外にシフトする動きが病院に見られると指摘した。単独で運営されている地方の老健には、稼働率が悪化して経営が非常に厳しくなったケースがあるといい、四病協は、地域包括ケア病棟の在宅復帰先に老健を再度含めるなど制度的な手当ての検討を求めた。
介護報酬の人員欠如に対する緩和措置の創設も訴えた。人員欠如に対する介護報酬のペナルティー(人員基準欠如減算)は現在3割減とされているのに対し、診療報酬では要件変動の「特例」が設けられている。四病協では、労働力不足が深刻な介護報酬ではそうした特例がないことから、入所規模や利用者規模に応じた緩和措置が必要だとしている。
また、リハビリ・栄養・口腔が重要視されているとして、「口腔機能向上加算」の算定対象拡大も求めた。この加算は、通所介護や地域密着型通所介護などでは算定できるが、小規模多機能型居宅介護では「口腔・栄養スクリーニング加算」しか算定できない。四病協は、小規模多機能型居宅介護でも中重度者を受け入れるため同様の加算が必要だとしている。
このほか、居宅介護支援事業所や介護保険施設(居住系)では、認知症の激しい行動・心理症状(BPSD)で精神科病院への入院依頼が多く、情報提供書の作成や家族調整に時間がかかるとして、「情報提供加算」を施設に付けるよう検討を求めた。
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【資料5】四病院団体協議会
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