簡易に実施可能な介護状況評価の質問票を開発-家族介護者支援を推進-(4/2)《国立長寿医療研究センター》
国立長寿医療研究センターは、東北大学や国立保健医療科学院との共同研究で、介護状況評価の質問票「Caregiver Reaction Assessment日本語版(CRA-J)」の短縮版を開発したと発表した。
2009年に開発された「CRA-J」は▽日常生活への影響▽ケアに関する受け止め▽家族のサポート▽健康状態への影響▽経済的な影響-の5つの要素から構成される質問票。介護による経済的負担やポジティブな影響も含む多様な側面から介護者の状況を評価できる。ただ、質問が全18項目と多いため、回答者の負担が大きく、実際の介護現場や行政の施策に使いにくいという課題があった。
今回開発した短縮版では、「CRA-J」の5要素から代表する2項目をそれぞれ選択し、質問数を10項目に絞った。「介護を始めてから、自分の予定や計画が減った」「介護のせいで、自分がくつろぐ暇がない」などの問いに対し、「全く思わない」から「いつも思う」の5択で回答する。
共同研究では、65歳以上の家族に介護を行っている934人のデータを活用し、短縮版の性能などを評価した。介護の頻度や時間が増えるほど、短縮版の点数も増加し、介護状況をよく反映することなどが示されている。また、短縮版の合計点による介護負担の重度分類を4段階で行い、重度になるほど抑うつの有病率が増えることを確認した。特に中程度以上(31点以上)では、有病率が急激に上昇したという。
この研究成果は日本老年医学会の国際学術誌「Geriatrics & Gerontology International」 に掲載された。
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