
株式会社ダスキンが展開するヘルスレント事業(介護用品のレンタル・販売)は、9月16日(月・祝)の「敬老の日」を前に、親世代※1と子世代※2を対象に介護に関する実態調査を行いました。本調査は2022年から行っている「#いま親のいまを知ろう」プロジェクトの一環として実施されました。
3回目の今回は「介護」について親子で話し始めるタイミングや、子世代の就業者※3の介護に焦点を当てた調査となっています。
この記事ではプレスニュースを元に、調査結果のまとめと、となりのかいご 代表理事 川内 潤さんに聞く「働く人の“介護マインドチェンジ”」アドバイスの一部を抜粋してお伝えいたします。
※1:親世代=自身の年齢が60〜80代で別居の子どもがいる男女1,000人(介護経験あり500人・なし500人)
※2:子世代=自身の年齢が20〜50代で60〜80代の別居する親がいる男女1,000人(介護経験あり500人・なし500人)
※3:子世代の就業者:公務員・会社員・自営業・自由業を選択した就業者(629人)。専業主婦・主夫は除きます。
介護のイメージ
変わらぬ「介護」のネガティブなイメージ。
介護のイメージを聞くと、「精神的な負担が大きい」(69.5%)、「肉体的な負担が大きい」(63.5%)などネガティブなイメージが高く、2023年調査とほぼ同様の傾向が見られました。

介護経験者は「親孝行」「恩返し」「家族の絆」などポジティブに捉える傾向。
一方で、介護のポジティブなイメージについては、介護経験のあり・なしで比べると以下のような差が見えてきました。
親世代では「親孝行」(介護経験あり47.0%:介護経験なし24.6% 22.4ポイント差)「恩返し」(介護経験あり29.8%:介護経験なし13.8% 16.0ポイント差)、子世代では「親孝行」(介護経験あり30.4%:介護経験なし21.6% 8.8ポイント差)と、どちらの世代も介護経験がある方がポジティブなイメージが高くなっています。
また、介護経験がある1,000人に、介護経験の前と後での介護に対する考え方の変化を聞きました

実際に介護を経験することで、介護のプロのサービスやアイテムを利用するメリットを実感する人が多いようです。
介護についての話し合い
親子で話し合っている割合は少なく、話し合うタイミングも遅い傾向

介護について親子で話した経験は親世代16.5%、子世代25.2%と少なく、「親が病気や入院、介護が必要になって」初めて話し合った人が約5割と、約半数が親の病気や介護を機に必要に迫られてやっと話し合っています。
介護について親子で話すことで、介護のイメージはポジティブに
親子で介護について話し合った経験がある人では、親世代では「家族の絆を深める」「感謝」(同率21.2%)など、子世代では「親孝行」(35.3%)や「恩返し(25.8%)などのポジティブな気持ちが、話し合っていない人に比べ高くなっています。
介護について親子で話し合うことで、介護のイメージはポジティブなものへと変わるようです。
介護について親子で話し合うべきことは、タラレバを前提にしたデイサービスや施設の使用有無などの“手段”ではなく、この先の人生をどう生きていきたいのかという“ミッション”を共有することです。
~NPO法人となりのかいご 代表理事 川内 潤さんに聞く より一部抜粋~
子世代就業者の介護
子世代の就業者は、デイケアなど外部サービスのサポートを望む声は低い。
介護経験がない親世代・子世代1,000人に介護に対する考え方を聞くと、全体では53.5%が「外部介護サービスを利用するべきだと思う」と答えたのに対し、子世代の就業者では47.8%と5.7ポイント低くなっています。
子世代の就業者は、「子どもは親の暮らしをサポートすべきだと思う」という気持ちが強く、抱え込みやすい。

子世代に親が要介護となったときに望むサポートについては、「デイケアなど短時間でも依頼できるサービス」(就業者57.6%:専業主婦・主夫75.4% 17.8ポイント差)、「行政の支援」(就業者54.8%:専業主婦・主夫69.4% 14.6ポイント差)など、就業者は専業主婦・主夫に比べ外部サポートに頼らない・頼りたくない傾向が見られ、わずかとはいえ4.0%は「サポートは必要がない」と答えています。
外部サービスのサポートを望まず、親の暮らしを サポートすべきという意識が高い子世代の就業者。もしも親の介護が必要になったとき、一人で抱え込んでしまうことが心配されます。
では、働きながら介護するにはどうすればいいのか。一つは何でもやってあげるという介護の思い込みをリセットし、自身だけで解決は難しいということを認識し直すことです。
そしてもう一つは親の「老い」を受け入れること。親の基盤が崩れていくのを見るのは不安でつらいことですが、老いはライフイベントの一つで、それを無理なく向かい入れることが介護です。介護の認識を変え、課題解決をしようとする自分のマインドを変えること、これが働く人の介護の最初の一歩かもしれませんね。
~NPO法人となりのかいご 代表理事 川内 潤さんに聞く より一部抜粋~
「親子で向き合う介護レポート2024」ではこのほかにも、多数調査結果が報告されています。ご利用者や家族介護者を支援されているケアマネジャーさんにとっても、何か支援のヒントが見つかるかもしれません。ぜひご覧ください。
これまでの「親子で向き合う介護レポート」(2023年度、2022年度)はこちらからご覧いただけます。https://healthrent.duskin.jp/project/imaoya/?link=gtop