「介護の生産性向上とは質を上げること。大量生産とは全く違う」 田中滋氏

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《 田中滋氏:2020年11月の審議会で撮影 》

 

この分野で生産性向上を図る意義は何か? 介護報酬を議論する国の審議会の会長を務める埼玉県立大学の田中滋理事長が、今月12日に開催された「生産性向上推進フォーラム」で語った。【鈴木啓純】

「例えばかつての自動車のような、単一製品・大量生産の産業とは意味が全く違う」。

田中理事長はそう指摘。「そのことをしっかり踏まえておかないと、とんでもない目標違いになる。機械を使い、少ない人数で沢山こなせば良いという話では決してない」と強調した。

そのうえで、「高齢者がより安心・安全にサービスを受けられるようにする。働く人がより安心・安全にサービスを提供できるようにする。つまり介護の質を上げていく。これが目的」と説明。「ムリ・ムダ・ムラを無くせば働く人にも余裕ができる。高齢者と向き合う時間が増え、仕事の楽しみや価値をもっと感じられる。前向きになれる。そうして介護の質も上がっていく。そのためにこそ、生産性向上の取り組みが意味を持つ」と述べた。