感染者らを支えるヘルパーに手当なし 訪問介護の事業者が抗議 「理不尽で不公平。あまりに冷たい」

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《 訪問介護事業者の17日の会見 》

「新型コロナウイルスの感染者、濃厚接触者に対応するホームヘルパーに支援を。十分な手当や報酬の加算などを出して欲しい」

訪問介護事業者の切実な訴えだ。オンライン署名サイト「Change.org」で広く支持を呼びかける活動を展開。およそ4万人から賛同を得た要望書を、17日に厚生労働省へ突きつけた。【Joint編集部】

署名活動や要望書の提出を行ったのは、株式会社でぃぐにてぃ、NPO法人暮らしネット・えん、NPO法人グレースケア機構の代表者ら。感染者などの自宅を訪問する際に支払われる報酬の加算が、医師や看護師にあってヘルパーには無いことに強く抗議した。

Change.orgでの署名活動は継続中。こちらから。

要望書では、「訪問介護に正当な評価を」と主張。ワクチンの優先接種の対象としてヘルパーを明確に位置付けることも求めた。

でぃぐにてぃの吉田真一代表取締役は17日の会見で、敢えて強い口調を使った。

「言葉を選ばずに言うと『ふざけるな』という思い。こんなバカなことがあっていいのか。理不尽で不公平。あまりに冷たい」と強調。「訪問介護は高齢者や障害者の命に直結する仕事。休むことはできない。長時間の滞在や密着する介護など、感染リスクも非常に高い。その中で訪問してくれるヘルパーに対し、特別な価値は認めないと言っているのと同じ。国からそう言われたんだと私は思っている」と語った。

暮らしネット・えんの小島美里代表理事は、「国は人の良いヘルパーをバカにしている」と指摘。「そんな風に扱われる職業に皆さんはなりたいでしょうか。人手不足は悪化するばかりで、ヘルパーは既に消滅の危機に瀕している。国は自らそういう事態を招いている」と問題を提起した。

また、グレースケア機構の柳本文貴代表は、署名活動を通じて集まった介護現場の声を紹介。「ヘルパーは医療職と同等かそれ以上のリスクを負う。ぜひ対価を」「医療施設は設備が充実しているが、在宅はそうではない」「暮らしのケアは不可欠だが、現場は疲弊している」などを読み上げた。