介護施設の人員配置基準緩和、現場の声にも配慮 規制改革会議「一律変更は現実的でない」

内閣府新たなテクノロジーのフル活用とセットで介護施設の人員配置基準を緩和できないか検討してきた政府の「規制改革推進会議」は17日、「これまでの議論の取りまとめ」を議決して公表した。【Joint編集部】

見守りセンサーやロボット、ビッグデータ、インカム、ICTなどを使って業務を効率化しつつ配置基準を緩和する構想について、「今後の介護人材不足の解決に向けた有力な方策の1つとなる可能性がある」と評価した。

これまでの議論の取りまとめ

一方で、「介護の質の維持と介護職員の負担軽減・処遇改善が最も重要な観点」「実際に介護の質が維持されること、介護職員の負担増につながらないことが客観的に検証される必要がある」などと指摘。厚生労働省に対し、今後の実証事業の結果なども踏まえて実現の可否を検討していくよう求めた。

あわせて、「介護施設は施設の規模、利用者の要介護度などによって必要人員数は様々。現行の配置基準を施設の種類などによらず一律に変更することは現実的でない」と明記。「先進的な取り組みを行う事業者に配置基準の特例を認め、その取り組みを順次、全国へ展開していくことが妥当なアプローチ」との認識を示した。

この構想をめぐっては、介護現場の関係者から「性急に進めるとケアの質の低下、職場環境の悪化につながる」などの慎重論が出ていた経緯がある。規制改革推進会議は今回、こうした声にも配慮。配置基準の緩和を実施するにしても、まずは一部の有料老人ホームなどに限定した特例という形にとどめるべき、とのやや控えめな取りまとめを行った。

ただ、特例を認める要件など具体的な制度設計が論じられるのはこれから。2024年度の介護報酬改定に向けたプロセスで、このテーマは大きな焦点の1つとなる見通し。