全世代型社会保障、重要テーマに「家庭介護の負担軽減」 政府 財源論は棚上げ

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《 岸田文雄首相(3月7日)》

社会保障改革の全体像を話し合う政府の「全世代型社会保障構築会議」が9日に会合を開いた。【Joint編集部】

政府は「人への投資」を重視する方針を明らかにしたうえで、「当面の論点」を提示。子育て支援の拡充や"勤労者皆保険"の実現などと並んで、「家庭での介護の負担軽減」も柱に位置付けた。

老後も住み慣れた地域で暮らしていける体制づくり、介護サービスの確保に取り組んでいく考えを説明。これからニーズが急増する首都圏、大都市の対策を特に重要な課題として提起した。

全世代型社会保障構築会議(第2回)

ただ、膨張する介護の費用をどう賄っていくかという核心には言及していない。岸田文雄首相は「若い世代の負担増の抑制」も目指す意向を示しており、給付とのバランスのあり方が最大の焦点となる。

これまでのプロセスでは、高齢者の自己負担の引き上げやケアプランの有料化、軽度者へのサービスの見直し、福祉用具貸与の適正化などが取り上げられてきた。ただ、こうした具体論が本格化するのは夏の参院選の後になる見通し。内閣官房はこの日、会議の取りまとめを6月にも決定する「骨太方針」に反映させるとアナウンスしたが、どこまで踏み込んだ内容になるかは不透明だ。

今回の「当面の論点」ではこのほか、介護人材の確保と併せてデジタル技術の活用を推進していく姿勢を前面に打ち出した。また、「独居の困窮者・高齢者が安心して生活を送れる"住まい"どう考えるか」「孤独・孤立に苦しむ人をどう支援するか」などの問題意識も共有した。