【斉藤正行】介護保険、何を変え何を守るか。次の制度改正、ケアマネジメントや福祉用具なども焦点に

《 全国介護事業者連盟・斉藤正行理事長 》

3月24日に「社会保障審議会・介護保険部会」が1年8ヵ月ぶりに開催され、介護保険法の法改正に向けた議論がスタートしました。ただし、再開された初回であり、まずは、「介護保険制度をめぐる最近の動向について」などの情報共有が中心となりました。【斉藤正行】

4月に入り新年度を迎え、法改正に向けた議論は今後ますます本格化していくこととなります。その法改正に向けたテーマの中から、注目すべき「ケアマネジメントのあり方」と「福祉用具貸与における軽度者改革」について論考したいと思います。

「ケアマネジメントのあり方」については、2021年度介護報酬改定において、集合住宅への在宅サービスを中心とした公平中立性の確保に向けた見直しが行われ、今後も議論が一段と加速していくことが予測されます。更には、4月13日に開催された「財政制度等審議会・財政制度分科会」において、財務省より"ケアプランの利用者自己負担の導入"、"福祉用具貸与のみのプランに対する報酬抑制"を求める提案が行われました。

当然、日本介護支援専門員協会を中心とする関係団体の多くから、強い反対の声が上がっています。加えて、同分科会では、「福祉用具貸与における軽度者改革」について、"歩行補助杖・歩行器・手すりについて貸与品目から除外し販売への切り替え"を求める提案も行われました。

財務省による報酬抑制の提案は毎度のことであり、全ての提案が実行に移されるわけではありません。しかしながら、主管省庁である厚生労働省においても、2月17日に第1回「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」が開催され、「ケアマネジメントのあり方」とともに議論が開始されており、実行可能性の是非が真剣に議論されていることには注意を払わなければなりません。

最後に、これらの議論の状況に対して私の見解を述べたいと思います。

今後の人口構造を鑑みると財政再建に向けた取り組みの必要性は言うまでもないことであり、社会保障費の単なる削減ではなく、効率化・適正化に向けた協力を行うことは介護事業者であっても社会の一員である以上不可欠であり、制度改革は必要であると思います。

他方で、要介護高齢者の命と暮らしを守る立場である以上、利用者本位の視点から現行制度を守らなければならない部分もあります。事業者の立場を守るのではなく、あくまで利用者本位の視点から、改革すべき点と保守すべき点を見定めた法改正が求められているのです。