無認可施設に強制移動した翌日に死亡 虐待の疑いで改善指導【三重】

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三重県伊勢市の老人ホームで、体調不良を訴えた入所者の男性が、ホームとは別の無認可の場所に移された翌朝死亡した。これを受けて、伊勢市は、この対応が虐待にあたる疑いがあるとして、ホームを運営する民間会社に改善指導を行った。

2020年2月、三重県伊勢市にある住宅型有料老人ホームで、入所者の74歳の男性が、ホームとは別の無認可の施設に移され一晩放置された結果、翌朝になって死亡しているのが確認された。

この老人ホームは民間の会社が運営するもので、当時、男性が体調不良を繰り返し訴えたため、現場で対応しきれないと判断したスタッフが経営者に連絡したところ、経営者などが男性をホームとは別の施設に移したという。

男性が移されたのは、ホームから14キロほど離れたところにある、施設としての認可を受けていない運営会社の事務所の一室で、外側から3か所に鍵をかけた状態で一晩放置された。

伊勢市は、入所者本人の意思がない状態で、強制的に無認可の施設に移動させたことは虐待にあたる疑いがあるとして、2022年4月に改善指導を行った。

ホームの運営会社によると、現在は無認可の部屋は使用しておらず、市の指導に基づく改善報告を作成するなど対応を進めている。