特養の入所基準の在り方などが論点に 社保審・介護保険部会

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社会保障審議会 介護保険部会(第96回 8/25)《厚生労働省》

厚生労働省は25日の社会保障審議会・介護保険部会で、特別養護老人ホーム(特養)の入所申込者の実態や地域の介護ニーズなどを踏まえ、特養の入所基準の在り方などを論点に挙げた(参照)。一部の委員からは、特養の定員割れが生じているような地域では要介護1・2の高齢者の特例入所を推進すべきだといった意見が出た。

特養の入所基準は、原則として要介護3以上の高齢者。ただ、やむを得ない事情で在宅生活が困難な要介護1・2の高齢者も特例的に入所が認められている。

厚労省の2019年の調査によると、特養の入所申込者数は29.2万人で、このうち約4割の11.6万人が在宅の人。国内全体で見ると、依然として多くの高齢者が入所を待っている状況だが、地方を中心に高齢者人口の減少により待機者が減ったり、定員が埋まらずに空床が生じたりしているという。

こうした状況も踏まえ、厚労省は25日の部会で、入所申込者の実態や介護ニーズが地域ごとに異なることなども考慮し、特養の入所基準の在り方について議論を促した。

全国老人福祉施設協議会副会長の小泉立志委員は、特養の定員割れが発生している多くの地域では在宅サービスの需要と供給のバランスが崩れ、在宅サービスを適切に受けられない状況だと説明。そのような地域は訪問介護員によるサービスも利用できないケースが少なくないことから、要介護1・2の高齢者の特例入所の活用を進めるべきだと主張した。

井上隆委員(経団連専務理事)は、特養の定員割れが起きている地域とニーズが増加している都市部で、入所申込者のマッチングを行うことを提案した。

この日の部会のテーマは、「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進」。厚労省はほかにも、▽全国で一定水準の在宅医療・介護連携推進事業が展開されるための方策▽介護老人保健施設での医療提供の在り方▽科学的介護情報システム「LIFE」を活用した高齢者へのリハビリテーションの推進の方策-などを論点に挙げた。

LIFEについては、事業所などによるデータ入力の項目が現場に有用なものとなるよう見直しを求める意見が出た。

【資料PDFダウンロード】
>>資料2 地域包括ケアシステムの更なる深化・推進(1)