ケアプランデータ連携システムの導入を検討しよう! 月末月初業務を効率化して介護の負担減・質向上へ【石山麗子】

《 国際医療福祉大学大学院・石山麗子教授 》

9月6日に厚生労働省から『「ケアプランデータ連携システム」の概要等の周知について』が発出されました(介護保険最新情報Vol.1096)。2023年度からの本格稼働が予定されており、使用する介護事業所にとって大きなメリットをもたらすものと期待されています。【石山麗子】

ケアプランデータ連携システムは、その名の通り連携のためのツールです。連携といっても、利用者の日々の状態に関する情報を取り扱う医療介護連携システムとは異なります。居宅介護支援事業所と他の介護事業所との間で、ケアプラン1.2.6.7表の情報授受を行うことが特徴です。

今回はケアプラン6.7表のサービス予定・実績の授受、俗にいう「月末月初業務(居宅介護支援からみれば給付管理業務)」ついて考えます。

介護従事者の間では、月末月初業務といえばそれ以上の説明はいらないくらい、誰もが認める時間と労力のかかる作業です。事業所間での情報連携は、パソコン入力した内容を一旦印刷し、FAX、郵送、訪問などの方法で連携相手に渡します。受け取った紙媒体の情報は、紙とPC画面とを目視で照合します。制度施行から今日まで、作業プロセスには紙の使用や人の労力が媒介しているのが実態です。

ケアプランデータ連携システムは、現在使用している介護計画作成ソフトなどに、新たにケアプランデータ連携ソフト(無料)をダウンロードすることで、介護事業所間でデジタルデータの授受を完結できます。厚生労働省はこのシステムを活用した場合の主なメリットとして、次のことをあげています。

1. 業務の効率化
 ○ 情報を入力・記載する時間の削減
 ○ データ管理による文章量の削減
 ○ 情報の転記誤りの削減
 ○ 介護従事者の負担軽減

2.費用効果
 ○ 印刷費の削減
 ○ 郵送費の削減
 ○ 交通費の削減
 ○ 通信費の削減(FAX)
 ○ 人件費の削減

→ 人件費削減を考慮した場合、年間81.6万円のコスト削減の試算

月末月初に空いた時間ができるなら、皆さまは何をなさいますか。月末月初は、月中に比べて利用者宅訪問や研修受講などを控える傾向がありました。仮に行うとしても業務調整に気を遣います。個人としては休暇が必要でも、月末月初は同僚や事業所に迷惑がかかることを危惧して極力控えてきた、という経験もあるのではないでしょうか。

ケアプランデータ連携システムの導入は任意です。とはいえ「連携」をサポートするという特性から、一事業所では活用できません。相手がいてこそ成立します。つまり、地域の多くの事業所が活用する場合に、相互にメリットを享受できるというわけです。

もし、自事業所や自分にとって月末月初業務は負担ではないし、これまでの業務プロセスは変えたくない、という個人的な価値観だけで判断すると、連携は成立しません。周囲の様々な立場の方にとって、あるいは自分の地域にとって、良い連携方法とは何かという観点で検討するとよいでしょう。

厚生労働省がこのソフトの開発を構想し始めたのは2016年であると記憶しています。介護保険制度創設以来の難題に着した取り組みですから、開発過程には幾多もの大きな壁があったことは想像に難くありません。

実践現場の業務の質を維持しながら効率化を図り、業務負担軽減を目指す一手段として開発されたこのソフトを活用するのか、選択権は事業所にあります。来年4月に向けて、地域の皆さまとケアプランデータ連携システムの理解を深め、活用の是非について話し合ってみてはいかがでしょうか。