老健の約3分の1が21年度に赤字 福祉医療機構調査

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2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について(2/1)《福祉医療機構》

全国にある約1,500の介護老人保健施設(老健)の約3分の1が、2021年度の経営が赤字だったとする分析結果を、福祉医療機構が公表した(参照)。赤字施設の割合は、2年前から約12ポイントも拡大。また、過去10年間で9割台をキープしていた入所の利用率が、8割台にまで落ち込んだ。同機構は「急激に経営状況が悪化していることがうかがわれる」としている。

同機構によると、分析の対象となった1,478の老健のうち、21年度に赤字だった施設は33.8%を占めた。その割合は、20年度よりも5.8ポイント、19年度と比べると12.1ポイントそれぞれ拡大した。

入所の利用率は、過去10年で右肩下がりの傾向が続き、21年度は88.0%(前年度比2.3ポイント低下)と8割台に落ち込んだ。

入所定員1人当たりの事業収益は553万円で、前年度よりも6万6,000円減った。同機構は、その事業収益が直近10年間で最も高かった19年度の569万円と比較すると、1施設当たり年間で約1,600万円の減収が生じていると試算。「経営面に与える影響としては、かなりのインパクト」と指摘している。

併設の通所リハビリテーションの利用率は61.6%で、20年度よりも1.6ポイント低下した。

同機構は毎年度、貸付先の老健の経営状況の調査を行っている。今回は1,478施設から提出された財務諸表などのデータを用いて分析した。