令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第1回 3/15)《厚生労働省》
厚生労働省は15日、2024年度に控える診療報酬と介護報酬の同時改定に向けた意見交換会で、医療機関・介護事業所同士や医療・介護間で情報共有を円滑に行うために項目や様式を統一化する方向性を示した。効果的・効率的な情報連携を進めるのが狙い。複数の委員から、統一化を進めるべきだとの意見が出た。
医療と介護の施設間での情報の提供や連携は、いまだに手交や郵送といったアナログな方法で行われることが多い。ただ、今後はDXの推進によって「全国医療情報プラットフォーム」が整備されるほか、電子カルテ情報の標準化が進められる見通しで、それらを踏まえて効果的で効率的な情報連携の方法にシフトすることが課題となっている。
このため厚労省は、中央社会保険医療協議会と社会保障審議会・介護給付費分科会の委員などによる意見交換会で、24年度の同時改定に向けて医療機関・介護事業所同士や医療・介護間で情報共有を円滑に行うために必要な項目や様式の統一化について検討を促した。
議論では、厚労省の方針に異論は出なかった。中医協の長島公之委員(日本医師会常任理事)が「適切な情報共有を行うには、必要な項目や様式の統一化は必須だ」と指摘。また、田母神裕美委員(日本看護協会常任理事)は、多職種間で情報を共有していくため、各職種が入力する様式で重複する情報がないかを整理すべきだと主張した。
介護給付費分科会の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)も、必要な項目や様式の統一化を検討する必要性を強調。全国老人保健施設協会会長の東憲太郎委員は、医療と介護の分野でそれぞれDXの進み具合に差があると指摘し、「同時にやるべきだ」とした。
同時改定に向けて厚労省は、在宅医療と介護の連携のさらなる推進のほか、▽主治医がより生活に配慮した質の高い医療を提供するために必要な介護支援専門員との連携の在り方▽介護支援専門員が医療の視点を含めたケアマネジメントを行うために必要な主治医との連携の在り方-なども検討の視点として示した。