定員11人以上のユニット設置進まず、21年度改定後 厚労省

社会保障審議会 介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会(第27回 9/21)《厚生労働省》

2021年度の介護報酬改定で個室ユニット型施設の定員の上限が見直されたものの、それを踏まえた定員11人以上のユニットの設置が介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)で進んでいないとする調査研究事業の結果を厚生労働省が21日、社会保障審議会・介護給付費分科会の委員会に示した。

21年度の報酬改定では、施設系サービスなどでの個室ユニット型施設の定員を、それまでの1ユニット当たり「おおむね10人以下としなければならない」から「原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないもの」に見直した。また、従来型とユニット型を併設する場合、入所者の処遇に支障がなければ介護職員や看護職員を双方で兼務できるようにした。こうした見直しの影響を把握するため、厚労省が介護施設などを対象に調査研究事業を実施。

調査結果によると、定員11人以上のユニットを設置している特養(116施設)と老健(18施設)のうち、21年度の報酬改定を「踏まえた」と答えたのは特養で16.4%、老健では5.6%にとどまった。定員11人以上のユニットを設置した理由では(複数回答)、「開設時や改築時などの施設構造上やむを得なかった」が特養で53.6%、老健では86.7%を占めた。

一方、ユニット型への転換意向がない特養(混合型126施設、従来型678施設)と老健(27施設)に理由を聞いたところ(複数回答)、混合型の特養の46.8%が「入居者やその家族からユニット型個室への転換に対する要望がないため」と回答。従来型のみの特養の63.6%、老健の55.6%が「現在の施設構造上、改修などでの対応が難しく、建て替えや移転などが必要となるため」と答えた。

ユニット型と従来型の特養で介護職員が兼務している割合はユニット型が7.1%、従来型が6.7%。また、看護職員が兼務している割合は、ユニット型46.9%、従来型40.0%だった。

厚労省では、調査研究事業の結果を24年度報酬改定の検討の基礎資料にする。

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【資料1-3】(3)個室ユニット型施設の整備・運営状況に関する調査研究事業の速報値(案)

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