社会保障審議会 介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会(第27回 9/21)《厚生労働省》
新型コロナウイルスに感染した入所者のうち、病院に搬送されたのは介護老人保健施設(老健)や介護医療院で共に1割程度にとどまったとする調査研究事業の結果を厚生労働省が21日、社会保障審議会・介護給付費分科会「介護報酬改定検証・研究委員会」に速報値として報告した。
この調査研究事業は、サービスの実施や医療提供、介護報酬の算定などの状況を把握するため老健や介護医療院を対象に実施。8月末までに老健528施設、介護医療院313施設から調査票を回収した。
新型コロナに感染した入所者は、調査に回答した老健454施設で計1万6,437人、介護医療院(278カ所)では計3,943人いた。このうち、施設内で酸素投与を行った人は老健で1,503人(9.1%)、介護医療院では856人(21.7%)。病院などに搬送されたのは、老健2,182人(13.3%)、介護医療院507人(12.9%)だった。
調査に携わった今村知明委員(奈良県立医科大学教授)は、施設内での新型コロナの感染者について「老人施設では9割を自分の施設で診て1割を(医療機関に)送っただけだが、医療機関の方が大変だったということだ」と述べた。一方、小坂健委員(東北大学大学院歯学研究科研究科長)は「医療機関に感染者を搬送したくてもできなかったケースがあることも考慮すべきだ」と指摘した。
新型コロナ対策を巡り国は、ウイルスに感染した入所者が引き続き施設内での療養する場合への補助の単価を10月から半分に減らし、入所者1人・1日当たり5,000円にする。
調査研究事業では、介護施設の主たる協力病院の種類を聞いたところ(複数回答)、老健では35.8%が「地域医療支援病院」、8.7%が「在宅療養支援病院」、7.8%が「在宅療養後方支援病院」を挙げた。介護医療院では「地域医療支援病院」25.9%、「在宅療養支援病院」11.9%、「在宅療養後方支援病院」5.4%などだった。主たる協力病院が有する病床(病棟)の種類は(複数回答)、老健では「急性期一般病棟」が57.9%、介護医療院は「療養病棟」が47.6%を占めた。
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【資料1-2】(2)介護老人保健施設及び介護医療院におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業の速報値(案)