LIFE関連加算 介護老人保健施設で77.7%が算定 厚労省調査

社会保障審議会 介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会(第27回 9/21)《厚生労働省》

介護報酬の「LIFE関連加算」を算定した介護事業所の割合は、2023年4月時点で介護老人保健施設が77.7%、通所リハビリテーションでは53.7%だったとする調査研究事業の結果を、厚生労働省が公表した。

この調査研究事業は、23年7月1日の調査時点で科学的介護情報システム(LIFE)を導入している事業所に対し、LIFEの活用状況や課題などを把握するために実施したもの。調査方法は、LIFE関連加算を算定している事業所と算定していない事業所に対しアンケートやヒアリングを実施。それぞれ3,652(回収率45.3%)と705(同35.3%)の事業所から回答を得た。

それによると、算定している事業所の割合は、施設サービス、通所・居住サービスのいずれも、21年4月のLIFE活用開始以降、年々高くなっている。また施設サービスの方が、通所・居住系サービスより高い傾向がみられた。

23年4月時点で算定している事業所の割合は、施設サービスで、▽介護老人保健施設/77.7%▽介護老人福祉施設/67.6%▽地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護/64.2%▽介護医療院/55.6%-だった。一方、通所・居住サービスでは、▽通所リハビリテーション/53.7%▽介護予防通所リハビリテーション/51.5%▽看護小規模多機能型居住介護(短期利用以外)/49.4%▽地域密着型通所介護/29.5%▽訪問リハビリテーション/21.8%-などだった。

また調査研究事業では、加算算定事業所に対してLIFEに関連する取り組みによって充実した点を複数回答で尋ねたところ、「職員に対して利用者の状態の評価や介入について考えることを意識付けるきっかけになった」が43.6%を占め最も多かった。次いで、「これまで把握していなかった利用者の状態についても評価するようになった」(37.7%)や、「利用者の状態の評価方法が統一された」(26.3%)といった回答も多かった。

LIFEからのフィードバックについて感じていることも調べた。フィードバック票の図表の分量については「ちょうどよい」と回答した事業所が約半数だった。また、全国平均以外に比較したい条件として、「自事業所・施設と同じ地域との比較」(62.2%)や、「自事業所・施設と平均要介護度が同程度の事業所・施設との比較」(50.7%)という回答割合が高かった。

一方、未算定の事業所にも調査し、ケアの一連の活動のプロセスで課題に感じる点について複数回答で聞いた。その結果、「ケア計画の見直しに向けた指標(KPI)が設定されていない」(39.6%)が最多で、「利用者の状態の評価方法が統一されていない」(28.5%)や「ケアの質の向上に関する事業所の方針が策定されていない」(23.3%)なども多かった。

LIFEを利用していない理由(複数回答)については、「データを入力する職員の負担が大きい」(56.3%)が過半数を占めた。ほかに、「利用者の状態の評価をする職員の負担が大きい」(36.9%)や「LIFEや加算に関する職員への研修ができない」(32.1%)という回答もあった。

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【資料1-4】(4)LIFEの活用状況の把握およびADL維持等加算の拡充の影響に関する調査研究事業の速報値(案)

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