緊急時訪問看護加算の電話対応、看護師以外も可能に 厚労省案

社会保障審議会 介護給付費分科会(第230回 11/6)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護給付費分科会が6日に開かれ、訪問看護での看護師の負担軽減について議論した。「緊急時訪問看護加算」の算定要件である利用者や家族から電話相談を受けた場合に常時対応できる体制について、現在は原則として看護師などが直接受ける体制がある場合に限っているが、厚生労働省は、連絡体制が整備されていることなどを条件に看護師以外の職員でも可能とする見直し案を示した。

厚労省の集計によると、在宅での看取りなどの医療ニーズが高まっていることを背景に、この加算を算定した訪問看護の事業所の割合は22年4月時点で8割を超えている一方で、看護師の負担が大きいことも指摘されている。

全国訪問看護事業協会が行った訪問看護事業所のサービス内容や連携などに関する調査では(複数回答)、24時間対応に係る課題として、「看護職員の精神的・身体的負担が大きい」という回答が約9割、「夜間・休日対応できる看護職員が限られているため負担が偏る」が6割以上だった。

また実際の電話相談の内容については、体調面や医療処置など緊急訪問を含めて対応が必要だったものが多いが、訪問日時の確認や時間の変更など、必ずしも緊急対応をする必要がないと考えられるものも一定数あった。

こうした状況を受けて厚労省は、緊急訪問の必要性を速やかに判断するための看護師への連絡方法をはじめ、適切なサービス提供体制が確保されている場合や、24時間対応への持続可能な取り組みが行われている場合には、看護師等以外の職員も利用者などからの電話連絡を受けられるように見直すことを提案した。

これに対して委員からは異論は出なかったが、小林司委員(連合総合政策推進局生活福祉局長)は、考慮すべき点として「緊急訪問の必要性の判断を誰が的確にかつ速やかに行うのかあいまいにせず、きちんと示して利用者や家族の安心を担保する必要がある」と指摘した。

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