介護職員の賃上げ、月額9000円に満たない人も 対象職種の拡大で効果薄まる

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《 予算委員会で答弁する岸田首相(13日)》

来年2月から介護職員の給与を月額9000円ほど引き上げる − 。岸田政権が打ち出したこの方針だが、個々の賃上げ額は実際いくらになるのだろうか。期待通り月額9000円、年額10万8000円アップ、とはいかない人も少なからず出てくる見通しだ。【Joint編集部】

政府は今回の介護職員の賃上げについて、全額国費の交付金を事業所へ支給することで具体化する計画。その財源として、今国会で審議している補正予算案に1000億円を盛り込んでいる

この1000億円は、全国におよそ138万人いる介護職員の給与の月額9000円増を実現する分だ。介護職員以外の職種、例えば介護施設のケアマネジャーや相談員、看護師、栄養士、リハ職、介護助手、事務職などの賃上げの原資は、もともと確保されていない。

一方で政府は、事業所が交付金を多職種へ配分する柔軟な運用も認めていく考え。現場からの再三の要請を踏まえた判断だが、財源の上積みはせず1000億円のままで予算をセットした。事業所が職場内の公平性を重んじて対象職種を広げれば広げるほど、1人あたりの"賃上げ効果"は薄まることになる。

「給料袋を開けてみたら9000円も上がっていない、という結果になる可能性が非常に高い」。13日の衆議院・予算委員会では、自民党の議員からもこうした懸念の声があがった。

岸田文雄首相はこれに対し、「更なる賃上げについても、安定財源を確保する道筋を含めてしっかりと議論していく」と説明。「処遇改善の取り組みを発展させていきたい」と語ったが、どこまで実行されるかは今のところ不透明だ。