
仲間とつながる、施設ケアマネの「これってどうしてる?」
施設ケアマネは、施設に一人しかいなかったり、相談できる同僚がいなかったりして、「これってどうすればいいんだろう?」と一人で抱え込んでしまうことも多いですよね。
ケアマネドットコムのQ&Aコーナーは、居宅ケアマネがメインのイメージがあるかもしれませんが、実は、そんな悩める施設ケアマネさんももたくさん利用しています。
この記事では、そんな施設ケアマネのリアルなQ&Aをいくつかピックアップしてご紹介します。きっと「わかる!」と共感できる悩みがあるはずです。
記事の最後には、もっとたくさんの仲間の声を見つけるための、簡単な探し方をお伝えします!
施設ケアマネはなんでも屋?
施設ケアマネって、デスクワークがほとんどできないことってよくありますか?
受診やショートの送迎、来客やご家族への対応、入浴や食事の介助、行事への参加…。気づけば、本来の書類作成は夕方から。でも残業もつけにくい…。
皆様の施設ではどうですか?
お気持ちお察しします。私も以前、特養でケアマネをしていた時は、送迎、介助、行事企画、在庫管理など、まさに「何でも屋」でしたが、それはそれで楽しんでいました。
この話題はよく出ますが、施設ケアマネには多かれ少なかれ、どこの施設でもそういった役割が求められるのかもしれませんね。その中で、いかに自分のモチベーションを保ち、存在価値を見出せるかが大切になってくるのかもしれません。
以前働いていた介護付き有料老人ホームでは、会社からこんな風に言われていました。
「ケアマネは100人まで担当できる。今は80人しかいないから、20人分余裕があるはず。だから勤務時間の一部は介護にあてられるよね?」
そんな理屈で、食事の誘導や清掃などをすることが多かったです。
(従来型特養で介護職員と兼任しています)
お疲れ様です。施設ケアマネは、生活相談員や介護職員との兼任が当たり前になっている面がありますよね。
私は50人強を担当しながら、日勤も夜勤もこなす介護職員を兼任しているので、残業もしていますが、ケアマネとしての苦労はなかなか理解されません。専任のケアマネさんがどうしているのか、私も気になります。お体、ご自愛くださいね。
ケアマネの受診付き添い、これって私の仕事?
施設ケアマネをしていますが、人員不足のため、私が入居者様の受診付き添いに行くことが増えました。週に2~3日付き添いに行くこともあり、本来のケアマネ業務が全く進みません。
結局、自分の休日前に深夜まで残業して業務を終わらせている状況です。
そもそも、受診付き添いはケアマネの業務なのでしょうか?私が残業している横で、他の看護師や介護職員は定時で帰っていくのを見ると、いつももやもやしてしまいます。
他の施設のケアマネさんはどうされていますか?
そのお気持ち、よく分かります。私の施設では、受診付き添いは基本的に看護師が対応します。私が付き添うのは、よほど看護師が不足している時だけですね。
状況によってケアマネが残業することもあれば、看護師がすることもあります。自分の仕事を他人に押しつけるような人は、管理者が見ていないようで見ていますよ。
大変ですよね。それは「ケアマネの業務」というより「事業所職員の業務」と考えると、少し気持ちが楽になるかもしれません。誰かが付き添う必要があるのであれば、ケアマネが付き添っても問題はないと思います。
ただ、その結果あなただけが残業している状況は問題ですね。他の職員に余裕があるのなら、彼らが付き添うべきです。お互いの業務の進捗を見ながら、誰が行くのが一番効率的か、都度相談して決めるのが理想ですよね。
(特養の相談員兼ケアマネです)
私も以前は受診付き添いをしていましたが、時間をかけて説明を重ね、今は付き添い業務が全くなくなりました。
・協力病院の受診 → 治療方針の決定に関わるため、ご家族にお願いする。
・非協力病院の受診 → ご本人・ご家族の希望での継続なので、ご家族にお願いする。
このように、入所申込の段階から「受診付き添いは原則ご家族の対応」となることを丁寧に説明し、理解を得ていきました。緊急時など、どうしても難しい場合のみ職員が対応しています。
慢性的な人手不足…心身ともに限界です
特養で介護士と兼務しています。慢性的な人員不足で、心身ともに疲弊しきっています。日々の介助でスタッフは精一杯で、一人が休むともう業務は回りません。
先日は夜勤中にぎっくり腰になりましたが、なんとか朝まで乗り切り、夜勤をしながらケアプラン作成や認定調査をこなす日々です。夜勤明けで担当者会議に出ることも珍しくありません。
もっと一人ひとりの利用者様と向き合いたいのに、目の前の仕事をこなすだけで1日が終わってしまいます。このような状況について、皆さんの職場ではどうですか?同じような思いを抱えている方はいらっしゃいますか?
そのお気持ち、とてもよく分かります。私も以前、特養で兼務していて、疲労と心労が重なり退職した経験があります。
どこの施設も人手不足は同じだと思います。スポットで働ける介護バイトのマッチングサービスなど、施設側で新しい働き手を探す工夫をしてもらって、少しでもケアマネ業務に専念できる環境になると良いのですが…。本当に、ご自身の体を第一に考えてくださいね。
本当に大変ですよね…。私の施設も人手不足で、職員は60代以上がほとんど。若くても50代です。面接に来られる方も60代が多く、なかなか採用に至りません。
後進を育てないと、みんな定年退職してしまいますよね。近隣で事業所が閉鎖するという話も毎月のように耳にします…。
処遇改善が出る前の、昔の状況に逆戻りしている感じがします。世の中の企業が賃上げをすると、介護業界に新卒は来てくれなくなります。
そもそも人員がギリギリなので、感染症が流行れば職員がバタバタと倒れていくような状況でした。賃上げの流れが強まると、介護職の求人が減るのはいつものことですね…。
「プランはコピペで」と言われた新米ケアマネです。これって普通?
オープンしたばかりの特定施設で働く、未経験の新米ケアマネです。面接では「ケアマネは2人体制」と聞いていましたが、実際は私一人。不安でいっぱいです。
特に、以下の2点で悩んでいます。
1. 「プランはコピペでいい」と言われること
上司から「アセスメントも最小限で、新規プランはコピペでいい。どこの施設も最初はこんな感じだから」と言われました。初めてだからこそ、きちんとケアマネジメントを学びたいのに、こんなやり方で良いのでしょうか?
2. 個別機能訓練加算の算定方法
実際には個別訓練を行わず、お昼前の10分程度の集団体操だけで加算を算定しているようです。法令に反するのではないかと心苦しいのですが、私の知識不足でしょうか?
皆さんのご意見をお聞かせください。
理想のケアマネジメントができず、もどかしいですよね。まずは「できる範囲でやってみる」ことも大切だと思います。
施設だとサービスが似通うため、プラン内容が似てくるのは仕方ない面もあります。その中で、どうやってご本人の思いや状況を上手に盛り込めるか、工夫してみましょう。
個別機能訓練加算については、一度ご自身で関連法令をしっかり読み込んでみると、自信を持って判断できるようになるかもしれませんね。「訓練そのものを個別に行う」という趣旨ではないはずです。利用者ごとに計画・訓練・評価が個別に行われていれば、訓練自体が集団でも問題ないケースはあります。
お疲れ様です。「プランはコピペでいい」なんて言葉は、あまり気にしすぎなくて大丈夫ですよ。
まずはアセスメントと課題検討をしっかり行うこと。そして、利用者様に伝わるよう、分かりやすくシンプルなプランを意識してみてください。
最初はプランが似たり寄ったりになるかもしれませんが、経験を積むうちにご利用者様の情報が繋がり、自然と個別性が生まれてきます。まずは練習だと思って、焦らず取り組んでみてください。
採用時と話が違う上、100人近くを未経験お一人で…本当に大変だと思います。私も同じ立場なら不安で潰れてしまいます。
私も施設ケアマネを始めた頃のプランは、今見ると酷いものでした(汗)。最初から完璧は難しいので、まずは法令上の必須項目を押さえて作成し、プランの更新のタイミングで内容をしっかり見直していく、という方法もありますよ。
個別機能訓練については、うちでは集団体操を1回5人程度の小グループに分けて実施しています。そういった運用ができないか提案してみるのも手かもしれません。
新規入居者のケアプラン、どういう流れで作成してる?
有料老人ホームに勤務しています。新しく入居される方のケアプラン作成について、皆さんはどう進めていますか?
私の施設では、以下のようなパターンで悩むことがあります。
① 入居日までに施設側で担当者会議を済ませ、当日にご本人・ご家族へ説明しサインをいただく。
(この場合、担当者会議にご本人が参加できません)
② 入居当日にご本人も参加して担当者会議を行い、その後に説明・サインをいただく。
(この場合、午前入居だと暫定プランでの対応になり、また当日ご家族のサインがもらえないケースもあります)
皆さんの施設では、どのような流れで対応されていますか?
原則として、サービス担当者会議はご本人・ご家族の参加が大切にされています。ご本人の生活について、ご本人がいない場所で決定してしまうのは、本来の趣旨から外れてしまうかもしれませんね。
スムーズな流れとしては、
1. 入居日までに、インテークやアセスメントを基にケアプランの「原案」を作成しておく。
2. 入居後、ご本人の状態も確認した上で「サービス担当者会議」を開催し、プランを確定させる。
3. その場で同意を得て、署名をいただく。
という形が基本になります。もし署名だけが後日になっても、会議の場で口頭などで「同意」が得られていれば問題ありません。
皆が集まる日程調整は本当に大変ですよね。
ただ、アセスメントだけでその方を完全に理解できるわけではありません。初回から完璧を目指すというより、「まずはこんな感じで支援を始めてみましょう」という、ゆるやかな方針共有の場と捉えるのも一つの手です。
どうしても全員参加が難しい場合は「意見照会」などの方法も活用しながら、ご本人中心の支援を共有できると良いですね。
利用者が入院!主治医への連絡はどうすればいい?
特定施設に勤めている新米ケアマネです。基本的な質問で恐縮です。
利用者様が骨折などで救急搬送され、そのまま入院となった場合、施設の主治医にはどのように連絡・情報提供をすれば良いのでしょうか?
電話で伝えるのか、書面をFAXするのか、また、どこまで詳細な情報を伝えるべきかなど、マナーも含めて教えていただきたいです。
(元特養・特定施設勤務)
入院されたら主治医の先生には報告しますね。ただ、方法は先生によるので決まった形はありません。私はいつも電話で伝えていました。
・連絡方法:電話で事務員さんや看護師さんに伝言するか、FAXで十分です。わざわざ先生に繋いでもらう必要はないことが多いです。ただ、先生からの指示や紹介状で入院した場合は、すぐに伝えるべきです。
・退院後:わざわざ受診しなくても、施設の往診の際に診てもらう形で大丈夫です。
・その他:入院先の病院には、施設で使っていた薬やサマリー(情報提供書)を持っていくとスムーズです。医療のことで分からないことは、施設の看護師さんや提携の薬剤師さんなど、聞きやすい人にどんどん質問するのが一番ですよ。知ったかぶりせず、「分かりません」と伝えることが大切です。
(住宅型有料勤務)
当方の施設では、施設の看護師が往診医にFAXで連絡しています。
普段から往診前に利用者の状態を看護師が医師と連携していると思いますので、その連携を取っている人が入院報告をするのが一番スムーズではないでしょうか。
プランの同意サインは、いつ貰うのが正解?
うちの施設では、ご家族が来られるタイミングでケアプランを説明するため、プランの開始日を過ぎてからサインをいただくことがあります。この場合、サインの日付は実際に署名された日で問題ないのでしょうか?皆さんの施設ではどう対応していますか?
来訪時にサインをいただくこと自体は可能ですが、同意を得るタイミングによって対応が少し異なりますね。
① 事前に電話などで同意を得ている場合
事前に電話で内容を説明し、口頭で同意を得ていれば、その「説明・同意日」を記録しておくことができます。後日いただく署名の日付は、実際に来訪された日で問題ありません。
② 来訪時に初めて説明・同意を得る場合
この場合は、同意日=来訪日となります。ただし、前の計画の終了日からこの同意日までの間に空白期間ができてしまうため、その期間をカバーする「暫定ケアプラン(つなぎの計画)」が別途必要になるのがポイントです。
どちらのケースでも手続き上は可能ですが、事前に電話で同意を得ておくのが最もスムーズかもしれませんね。
身寄りの少ない利用者さん、成年後見制度は提案すべき?
7月からグループホームで働き始めた新人ケアマネです。職場で相談できる人がおらず、皆さんの知恵をお借りしたいです。
担当している72歳の男性利用者様についてです。
・ご家族:遠方に妹さん(キーパーソン)、近くに従姉妹がいるが関係性は薄い。
・病歴など:アルツハイマー型認知症(物忘れ程度)、高血圧、便秘症。
現在は穏やかに過ごされていますが、今後を考えると、緊急時に遠方のキーパーソンだけでは対応が難しいと感じています。
そこで「成年後見制度」の利用を提案すべきか迷っているのですが、職場では「あなたの仕事でしょ」と取り合ってもらえません。皆様ならどう考えますか?
職場で相談できなくても、地域の他のグループホームや、市の担当者が参加する「運営推進会議」などで相談してみるのも一つの手ですよ。同じような悩みを抱えている仲間はきっといます。
成年後見制度は必要かもしれませんが、後見人は治療方針の選択はできません。ですので、まだご自身で意思表示ができる間に、今後のこと(延命治療など)を確認しておくことが何より大切です。関連するガイドラインを読んでみるのも勉強になりますよ。
一度立ち止まって、「成年後見制度は、今、誰のために必要か?」を考えてみるのも良いかもしれません。
・ご本人を緊急に守る必要性:低そう
・ご本人やご家族の希望:特になし
・施設側の差し迫った状況:特になし
現状では、施設側の「将来への不安」が一番の理由に見えます。手続きには手間も費用もかかりますし、私なら現時点では強くお勧めしません。まずはキーパーソンの妹さんと良好な関係を保ち、「いざという時のために、こういう制度もありますよ」と情報提供する程度に留めておくのが現実的かと思います。
(参考情報として)
私も今、初めて後見制度の手続きに関わっていますが、申し立てから決定まで最低でも3~4ヶ月はかかると言われました。
診断書を書いてもらうための書類準備も大変ですし、もし専門家に依頼すると10~15万円ほどの費用がかかるそうです。また、後見人を引き受けてくださる方も少ないのが現状のようです。ご参考までに。
特定施設?住宅型?施設による保険者の違いを教えて!
介護施設の種類と保険者の関係について、基本的なことを教えてください。
① 特定施設入居者生活介護の有料老人ホームは、保険者を変えずに利用できますよね?
② グループホームは、地域密着型なので、施設のある市区町村に保険者を変更しないと利用できませんよね?
③ 特定施設の指定を受けていない、サービス外付けの有料老人ホームは、保険者がどこであっても(県内・県外問わず)利用可能、という認識で合っていますか?
ご質問の①~③について、以下のように整理できますね。
① 特定施設について
多くの特定施設は「住所地特例」の対象です。そのため、他の市区町村から転居してきても、保険者は転居前の市区町村のままとなります。住民票の住所と、介護保険証を発行する保険者が異なる状態になります。
② グループホームについて
お見込みの通り、グループホームは地域密着型サービスなので、その施設の所在地に住民票があり、その市区町村が発行する介護保険証を持っている必要があります。
③ 特定指定のない有料老人ホームについて
こちらは「ただの住まい(アパートやマンションと同じ)」なので、基本的には住民票や保険者がどこであっても入居できます。ただし、外部の介護サービスを利用する際に、そのサービスが地域密着型(例:地域密着型デイサービス)の場合は、②と同じく住民票のある市区町村のサービスしか使えない、という制約が出てきます。
(補足です)
そもそも、特定施設の指定を受けていない有料老人ホームは「介護保険施設」ではなく「住居」です。そのため、入居自体に保険者の制約はありません。
また、特定指定がなくても「住所地特例」の対象施設になっている場合もあるので、都道府県のホームページなどで確認するのが確実ですよ。
もっと仲間とつながる!Q&Aの探し方
いくつかのQ&A、いかがでしたか?「うんうん、わかる!」「うちも同じだ…」と共感するものも多かったのではないでしょうか。
ケアマネドットコムのQ&Aには、同じ立場で頑張るたくさんの仲間がいます。実は、そんな仲間のQ&Aを簡単に見つける方法があるのです。
それが「ハッシュタグを使う」という方法。事務局が一つひとつのQ&Aに「#施設ケアマネ」のようなタグを付けているので、これを辿れば、施設ケアマネ向けの投稿だけをまとめて読むことができます。
ここでは、その具体的な探し方をご紹介します。
1.画面右上のメニューから「ハッシュタグ」を選択します。

2.ハッシュタグ一覧の中から「#施設ケアマネ」を選びます。

たったこれだけで、「#施設ケアマネ」のハッシュタグが付いたQ&Aをまとめて見ることができます。
施設ケアマネに質問したい場合は?
質問する時に、「ちょっとしたコツ」を意識すると、より的確な回答が集まりやすくなります。
・特定の事業所についての質問なら サービス事業所特有の質問の場合は、事業所の種類(特養、有料老人ホームなど)をはっきり書くと、同じ立場のケアマネさんが見つけやすくなります。
・広く意見を聞きたい質問なら 広く施設ケアマネさんへの意見を求めたい場合は、本文に「施設ケアマネ」という言葉を入れるとワード検索で表示されやすくなり、様々な施設のケアマネさんから意見をもらいやすくなります。
私たち事務局でも、施設系のQ&Aを見つけたら「#施設ケアマネ」のハッシュタグを付けて応援します!
まずは施設ケアマネのQAを探してみよう!
まずは下のボタンから、実際に施設ケアマネのQ&Aをのぞいてみませんか?同じ悩みを持った仲間と出会えるかもしれません。
ケアマネドットコムは、頑張る施設ケアマネさんを応援しています!