「買い物できない」が、「暮らしを続けられない」につながる前に。
免許返納、荷物を持って歩く負担、近所の商店の閉店──。
様々な理由から、日常の買い物に困難を抱える高齢者が増えています。
地域ごとに買い物支援の取り組みは進められているものの、公的サービスだけではカバーしきれない現実も、徐々に浮かび上がってきました。
一方で、自宅にいながら利用できる宅配サービスも、種類・活用法ともに広がりを見せています。
本記事では、ケアマネドットコムで実施した「高齢者の買い物課題に関する調査」結果をもとに、多様化するニーズに応える新たな手段──セブン‐イレブンの宅配サービス「7NOW(セブンナウ)」をご紹介します。
「今できる支援」を広げていくためのヒントを、ここから探っていきましょう。
高齢者の「買い物難民」化と地域資源の不足
ケアマネジャー対象アンケートで見えた現場の実態
独居高齢者や高齢者世帯の増加、地域店舗の減少により、「買い物に行けない」「日用品が手に入らない」といった課題を抱える要介護者が増えています。
ケアマネジャーの皆さんも、日々の支援のなかで、こうした買い物課題に直面し、対応に悩む場面が増えているのではないでしょうか。
ここからは、ケアマネドットコムが行ったアンケート調査のデータをもとに、現場で顕在化している買い物課題の実態を読み解いていきます。
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【調査対象】ケアマネドットコム会員 |
買い物に困難さを抱えている利用者の割合と困難さの背景
まず、現場ではどれほど多くの利用者が「日常の買い物」に課題を抱えているのか──。
今回のアンケート結果から、その割合と、困難さの背景にある要因を見ていきます。
現任ケアマネジャー346名のうち、約9割にあたる312名が「日常の買い物に課題を抱える利用者を担当している」と回答しました。
買い物が困難な主な理由として最も多かったのは、「歩行が困難」で79.8%を占めました。続いて、「買い物に付き添う人がいない」「移動手段が確保できない」「近隣にスーパーや商店がない」といった声が挙がり、人的支援や地域インフラの不足が、課題の背景にあることが浮き彫りになりました。
Q「買い物が困難」となる主な理由は何ですか?

「日常の買い物が困難」と感じている世帯状況についての設問では、最も多かった回答は「独居世帯」で、全体の58.5%を占めています。また、「高齢者のみの世帯」と回答した人も26.9%にのぼり、さらに「介護者と同居している世帯」を選んだ人を合わせると、約3割となります。
この結果から、買い物課題は独居高齢者に限らず、同居家族がいる世帯でも少なからず生じていることがうかがえます。
ケアマネジャーが情報提供している買い物支援の種類と対応しきれないニーズ
利用者や家族の買い物課題に対して、ケアマネジャーが情報提供・提案しているサービスのうち、最も多かったのは介護保険サービスである「訪問介護(生活援助・身体介護)」で73.9%を占めました。これに続いて「宅配サービス」が69.4%と高い割合を占めています。
また、「その他」の回答には、有償ボランティア、行政や社会福祉協議会(社協)による買い物支援、便利屋への依頼など多様な支援策が挙げられました。
この結果から、介護保険サービスにとどまらず、さまざまな支援手段がケアマネジャーによって積極的に提案されている実態が明らかになりました。
Q「日常の買い物が困難」な利用者や家族に、情報提供・提案しているサービスを以下から選んでください

宅配サービスが負担軽減に有効かどうかを尋ねたところ、利用者・家族・その他の支援者のいずれに対しても、「とても有効だと思う」「ある程度有効だと思う」と回答した人が、合わせて9割を超えていました。
Q 宅配サービスが以下の人の負担軽減にどのくらい有効だと感じますか?

一方、「現在利用している買い物支援サービスで、不便に感じることは何ですか」と尋ねたところ、「頼みたいときに頼めない」「利用できる頻度が限られている」といったタイミング面での不便さを挙げた人が約6割にのぼりました。
続いて、「頼みたいものが頼めない」という商品の選択肢に関する不便さも、34.3%と多く挙げられています。
Q 現在利用者が利用している、買い物支援で不便なところは何ですか

注文から商品到着までの理想的なスピード感については、「当日中」と回答した人が6割と最も多く、さらに「1時間以内」と答えた人を合わせると、7割近くが「注文したその日のうちに商品が届くこと」を理想としていることが分かりました。
Q 必要なものは、どれくらいのスピードで手に入るのが理想的ですか?

現在の買い物支援サービスでは、「必要なタイミングで使えない」「利用頻度が限られている」「頼みたい商品が選べない」「配達が思うように早くない」といった点で、まだ利用者のニーズを十分に満たせていないことが、不便さにつながっているようです。
公的サービスでの対応の限界と「トータルケアマネジメント」の視点
利用者や家族から頼まれて、ケアマネジャー自身が買い物対応をした経験がある人は、全体の55%にものぼりました。
「緊急で必要だった」「いつものスーパーには売っていなかった」「ヘルパーさんには頼みづらかった(嗜好品など)」など、頼まれた理由や状況はさまざまです。
ただ、実際に買ったものを見ると、「食品・飲料」「日用品」といった、日常的な生活必需品が中心だったことがわかりました。
Q あると答えた方にお聞きします。具体的にどんな品物を購入しましたか

※ケアマネジャーが購入したものについて自由回答の内容をケアマネドットコムでカテゴリー分類・集計したもの
今回の調査から明らかになったのは、独居高齢者や高齢者世帯に対する買い物支援が、家族や地域、公的サービスだけではカバーしきれなくなってきているという厳しい現実です。
こうしたなか、「民間の宅配サービス」などを柔軟に取り入れ、支援につなげているケアマネジャーの姿も見えてきました。
一方で、突発的な買い物ニーズに対応しきれず、ケアマネジャー自身が“シャドウワーク”を担わざるを得ない場面も、依然として少なくありません。
今後ますます求められるのは、制度の枠にとらわれず、利用者の暮らし全体を見渡して支援を考える「トータルケアマネジメント」の視点です。
限られた社会資源の中で奮闘している皆さんに、ぜひ知っていただきたい新しい買物支援の選択肢があります。
それが、セブン‐イレブンが提供する宅配サービス「7NOW(セブンナウ)」です。
「必要なものを、必要なときに」──。そんなシンプルで切実なニーズに応えられる、これからの地域支援を支える一手となるかもしれません。
「7NOW」がもたらす新たな買い物支援の選択肢
「7NOW」とはどんなサービス?

「7NOW(セブンナウ)」は、セブン‐イレブンの商品をスマートフォンのアプリやWEBサイトから注文し、自宅など指定の場所へ届けてもらえる宅配サービスです。
おにぎりやお弁当、冷凍食品、日用品、衛生用品など、セブン‐イレブンの幅広い品揃えから選んで注文できるのが大きな特徴です。最短20分というスピーディな配送も魅力のひとつで、ご家族の急な体調不良や天候不良など、「今すぐ必要だけど、買いにいけない」に応える柔軟な対応力があります。
利用の流れは、スマートフォンを使用して、7NOWアプリ/WEBサイトにアクセスし、受け取り場所とセブン‐イレブンの店舗を選択※1、商品を選んでカートに入れ注文。あとは指定場所で、商品受け取って完了です。

受け取り場所は、自宅に限らず、配達可能エリア内であれば離れた家族の家や勤務先、公園なども指定できます。
注文は商品額合計1,000円(税抜)以上※2から可能で、お支払方法はクレジットカード決済、コード決済(PayPay/auPAY/d払い)、nanacoポイント支払が選べます。
全国のセブン‐イレブン店舗(一部を除く)で対応が進められており、身近な店舗から安心して利用できます。
※1 配送エリアは<7NOWアプリ/WEBサイトで確認できます。※2 一部店舗において税抜1,000円未満でも注文可能です。また、商品代金の他に、別途配送料110円(税込み)~550円(税込)がかかります。

必要なときに、すぐに届くという選択肢
介護の現場では、急な体調変化や日用品の在庫切れ、水分補給が必要になるなど、「今すぐ必要」なものが出てくる場面が少なくありません。
そんなときに、最短20分で商品を届けてくれる「7NOW」のスピード感は、頼もしい支えとなります。
「7NOW」では、弁当やおにぎり、冷凍食品、飲料といった食料品はもちろん、日用品や衛生用品、電池、電球、肌着類まで、約3,000アイテムを幅広く取り揃えています。
“今、必要なものを、少しだけ”届けてもらえる手軽さは、一人暮らしの高齢者や在宅介護をしているご家庭にとって、暮らしを支える心強い選択肢となるでしょう。
取扱い商品
(店舗により取扱いのないものもあります)
ごはん/サンドイッチ/麺・パスタ/サラダ・総菜/スイーツ・ヨーグルト/アイス・氷/パン・シリアル・ジャム/卵・豆腐・納豆・乳製品/加工肉・練物・野菜他/牛乳・チルド飲料/ソフトドリンク/冷凍食品/お菓子/豆菓子・おつまみ/酒/パウチゼリー・栄養ドリンク・他/レトルト・インスタント食品/調味料・缶詰・乾麺・お米/ペットフード/紙・衛生用品/洗面用品/洗剤/化粧品/電池・電気小物・喫煙具/衣料品/文具/行楽用品・雨具・他
※お届けできない商品(ハガキ・切手・印紙・クオカード、プリペイドカード、発火性・引火性のあるもの、雑誌など)
このように、食料品から生活必需品まで幅広くカバーしているのが「7NOW」の大きな特徴です。
また、先のアンケートで、「宅配サービスで、お弁当以外にどんな商品が配達されると便利だと思いますか?」と尋ねたところ、次のような回答が寄せられました。
Q「宅配サービス」で、お弁当以外ではどんな商品が配達されると便利だと思いますか。

挙がった商品のほとんどは、「7NOW」で手に入れることができます。
必要なものをワンストップでまとめてそろえられる便利さは、コンビニエンスストアならではの大きな魅力と言えるでしょう。
全国2万店超──いつもの安心感と手の届く品揃え
2025年2月より、本格的に全国47都道府県に展開を開始した「7NOW」は、“どこでも、誰でも”使えるサービスへと進化を遂げつつあります。全国2万店超のセブン‐イレブン店舗網を背景に、都市部から地方までスピード感をもって拡大している点は注目に値します。
新しいサービスを使うことに少なからず抵抗を感じやすい高齢者にとって、“いつも見かけるお店”であることは、それだけで大きな安心材料になります。地域のセブン‐イレブンのお店から届けてくれるというだけでも、利用のハードルはずいぶん下がるのではないでしょうか。
また、「7NOW」の注文画面ではリアルタイムに商品の在庫の有無が見え、在庫がある店舗で購入できるように工夫されています。スマートフォンから幅広い品揃えに手が届き、最短20分で届けてもらえるシステムを可能にしているのも、セブン‐イレブンのスケールメリットの一つです。
地域の支援資源が限られている中でも、コンビニ宅配などの“民間インフラ”を活用することで、利用者が安心して暮らしを続けることはもちろん、支える家族の負担も軽減できる可能性があります。
利用者・介護家族で活用できるシーンとは?
※本記事のイラストは株式会社エス・エム・エスが作成したイメージになります。
一人暮らしや高齢者世帯の食の確保に

一人暮らし世帯や高齢者世帯では、食品や調味料をまとめて買ってしまうと、同じような食事の繰り返しや、食べきれずに処分してしまったというケースも少なくありません。また、食事は栄養バランスやカロリーが取れればよいというだけでありません。自分では買い物に行くことが困難になっても、「自分で選ぶ」「食べたいものを食べる」という楽しみを確保することは、QOLには重要な要素だと言えます。
7NOWなら、自宅にいながらコンビニのおにぎりや弁当、冷凍食品、スイーツなど、慣れ親しんだ味から目新しい味までを自由に選ぶ楽しみがあります。
また、7NOWの宅配サービスは、原則商品を玄関先で手渡しをすることになっており、一人暮らし高齢者の安否確認にもつながるというメリットもあります。手渡しに抵抗がある方に対しては、お届け時にその場でインターホンを通じてやりとりができれば、直後に取り込むことを条件に、商品を所定の場所に置くなど柔軟な対応も可能です。
介護家族が買い物に行けないときにも

普段は自分で買い物に行き、食事作りも行えているご家族や介護者にとっても、いざという時のために7NOWを使えるようにしておくと安心かもしれません。急な体調不良、予期せぬ残業、予定外の外出、ときには休みたい――。そんな時に、スマホからお届け先を指定して注文すれば、すぐに届けてもらえるというのは介護者の負担を軽減するサービスとも言えるのではないでしょうか。
また、ご家族が離れて暮らしている場合でも、7NOWなら“代わりに注文”というかたちでサポートが可能です。頻繁に通えなくても、必要なときに必要なものを家族に届けてあげることができます。「離れていてもサポートできる」という支援の在り方を、ケアマネジャーからお伝えするだけでも、介護者の心身の負担軽減につながる場合もあります。
すぐに食卓に並べられる食品から生活必需品までの幅広い品ぞろえ、最短20分のスピード──こうした要素を兼ね備えた7NOWは、買い物課題を抱えたご利用者やその生活を支えるご家族にとって、身近で有効な選択肢の一つとなるのではないでしょうか。
まとめ──QOL向上の一助として、今ケアマネができること
「買い物に行けない」という暮らしの困りごとを、“選んで、頼んで、受け取る”という新たな体験に変える──それが「7NOW」です。
単なる便利なサービスではなく、高齢者の暮らしを支える地域の生活インフラとして、大きな可能性を秘めています。
次回は、実際に7NOWを体験したケアマネジャーを対象にしたアンケート結果をもとに、「どんな場面で役立つのか?」「本当に買い物支援に使えるのか?」を具体的に深掘りしていきます。
介護保険サービスの枠外にあるからこそ、状況に応じた柔軟な運用が可能であり、支援の新たな一手として、十分に検討に値する選択肢だと言えるでしょう。
まずは知り、そして試してみる。その一歩が、地域支援の新たな可能性を切り拓いていきます。


