ケアプラン事例集:【居宅】重い病態であっても、最後まで在宅で生活したいという利用者の望みを叶えたい-医療

アセスメント概要

 

事例タイトル 【居宅】重い病態であっても、最後まで在宅で生活したいという利用者の望みを叶えたい - 医療 -
事例提供理由
(検討したい内容等)
前任のケアマネ次々に変わり、そのあとのケースを引き継いだのが4年前であった。
脱水、貧血、低栄養、重い心臓病(ニトロを1人5回飲んでいたこともあった)であったが、現在病状も落ち着き、一人暮らしを続けている。その当時を振り返る。
標準項目名
  1. 初回受付:4年前 氏名:Aさん 95歳 男性
  2. 5人兄弟の3番目に生まれる。海軍士官学校に進み士官となる。
    終戦後は、妻の実家で暮らしていたが、妻の病気を期に、昭和63年から現在の住所に移り住む。
    その妻も平成14年に看取り、その後一人暮らしとなる。
  3. 国民年金、軍人恩給
  4. 訪問看護 週2回 全身状態の管理、服薬管理、機能訓練
    訪問介護 週5回 安否確認、食事・水分量の確認、活動量の低下を防ぐ
    訪問マッサージ 週2回 配食サービス 週3回
    福祉用具の貸与 介護ベッド及び付属品 住宅改修 手すり、段差解消
    傾聴ボランティア(不定期) 家族からの定期コール(毎日)
    通院―主治医(心臓血管内科)、精神科、整形外科、歯科
1.利用者の基本情報
2.生活状況、生活歴
3.被保険者情報
4.現在のサービス
(およびケアの状況)
5.高齢障害者の日常生活自立度 A2ランク 6.認知症高齢者の
日常生活自立度
II a
7.主訴
本人:
このまま介護保険のサービスを続けて自宅で暮らしたい。
デイサービスには行きたくない。
家族:
同居の誘い掛けをしているが、本人が住み慣れた家で暮らしたいと言っている。
出来る限りのことをするので、本人の希望を叶えて欲しいと思う。
8.認定情報 引継時=
要支援2

申請をやり直した結果=
要介護2へ
9.アセスメントの理由 引継ぎ時の情報を鵜呑みにせずに、先入観を持たずに情報を取り直す。
特に、医療情報が全くなかった為、主治医からの情報を聞きに行った。
10.健康状態 当時は、外出もままならず、食事や水分もあまり取っていない状態であった。
ふらつき、めまいを起こし、時々ボーっとしていた。
主治医への確認の結果、狭心症、貧血、閉塞性動脈硬化症、変形性膝関節症、うつ病、低栄養、腰痛などの病名が明らかとなった。
11~23項目より
特記すべき項目
両下肢の筋力低下により、ふらつきや転倒歴があった。
右目が見えないため、身体の右側を良くぶつけ、痣になっているが、感覚が鈍く本人には自覚がない。
日中は、ベッドからは起きてくるものの、リビングのソファーに横になったり、リクライニング椅子にてうとうとして過ごしている。通院以外の外出はなかった。
食事は、好きな物だけ食べている。
排泄は、自分で何とかトイレまで行っているが、汚れていても気が付かない。
前のケアマネ、区の職員が来ては、「デイサービスに行ったらどうか」と何度も聞かれ、押し付けがましく感じ、うんざりしている。
介護職員全員に対して、「信頼できる人がいない」という訴えがある。
まとめとプランまでのケアマネの動き 前任のケアマネとの信頼関係喪失により、サービスが3週間中断されたままであった。
行政の地域担当との相談・依頼により伺う。
殆ど食事・水分をとっていない状態であったので、至急に受診の予約を取り、食事については、ヘルパー、配食サービスにより食事量の確保に努めた。
また、本人と介護職員との信頼関係を取り戻す為に、しばらくは主治医への受診には同行した。
同時に、本人の目の前で、主治医と訪問看護の必要性についての話し合いを行った。
「デイサービスに行きたくない」という思いには、深く傷ついた理由があるため、このことは無理強いせずに、他の方法で外出の機会を話し合った。
食べ物、外出、訪問看護についても、今まで本人が「必要ない」と思っていたことも、主治医からの助言に従い、受け入れが出来きた。
本人の訴えを、真摯に受け止めていくことにより、病名、対応が明らかになっていき、それに付随して、ケアマネに対しても、少しずつ信頼関係を取り戻し、相談が出来るようになった。
ケアの体制が整っていくに従って、身体状況も落ち着き、やりたいことを積極的に行えるようになっていった。
同時に、本人の楽しみや生きがいについても注目していった。
「やっと生きる喜びが見出せた」という言葉も聞けるようになった。

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