認知症でサービス拒否が強い利用者―導入までのケアプラン事例
「母がサービスを受けてくれない。でも私も毎回は行けない」
遠方に住む娘さんのそんな悩みから始まった支援。
この事例では、認知症でサービス拒否が強い独居高齢者に対し、どう関係を築き、ケアプランにつなげていったのかを追います。
アセスメント概要
| 事例タイトル | 【居宅】夫の入院を期に認知症発症し独居。サービス拒否あり導入に時間がかかった -認知症- | |||
| 事例提供理由 (検討したい内容等) |
ご本人の生活レベルから、本当にサービス利用が必要な時期なのかを悩んだ。 また、サービス開始までのかなりの期間(半年)を要した。 今後、サービス利用拒否(本当に必要なのかを含めて)ケースの対応方法は如何か。 |
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| 標準項目名 |
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| 1.利用者の基本情報 2.生活状況、生活歴 3.被保険者情報 4.現在のサービス (およびケアの状況) |
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| 5.高齢障害者の日常生活自立度 | A2ランク | 6.認知症高齢者の 日常生活自立度 |
IIb | |
| 7.主訴 |
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8.認定情報 | 要介護2 | |
| 9.アセスメントの理由 | 介護者が他県ですぐに対応が出来ない。 娘だけの対応では限界がある。 認知症が進行し、1人での生活状態が把握できない。 本人が他人の介入を拒んでいる。 地域包括支援センターからの依頼。 |
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| 10.健康状態 | 難聴以外は問題なし。 | |||
| 11~23項目より 特記すべき項目 |
ADLはほぼ自立し、実態は不明な部分もあるが、見守りや声かけ程度で良い。 着替えや整容が面倒なようで、寝巻きの上にカーディガンを羽織って過ごす事もある。 娘の訪問時に整容を促すが、1人で入浴を済ませていることがある。 食事は、娘が調理して置いていったり、惣菜を買って冷蔵庫へ入れておいたりしている。 自分では何でも出来ると言うが、困った事があると何度も娘へ電話をする。 来てほしいと訴え「熱ある」「立てなくなった」などと心配させるようなことをいう。 買物も自分で行っているというが、娘の確認する限りそのような事はない。 |
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| まとめとプランまでのケアマネの動き | 地域包括支援センターから依頼。 依頼の3年ほど前から物忘れが目立ってきたが、夫が面倒を見ていたが、2008年11月に夫が脳内出血でなった。 入院しほぼ動けない状態と、本人は通院を拒否しているが、夫の見舞いに合わせて何とか受診し、前頭側頭型認知症と診断を受ける。 進行性で、このタイプは感情のコントロールが難しく入所が困難なため、自宅で見るより仕方ないと医師より言われている。 受診と同時に介護保険を申請。 いったん、娘宅へ引き取ったが帰宅願望強く、娘が行き来している。 認定調査にて地域包括支援センター介入の必要性を判断し面談。 娘は対応に苦慮し、サービス利用を希望しているが、本人が他人の訪問などの介入を拒んでいるため、サービスには繋がらないかもしれない…との前提で、依頼を受ける。 サービス導入以前に担当ケアマネとの信頼構築のため、月に1度以上の訪問を重ねる。 当初は「何で来るの」「呆けてないのに病気にするつもり?」などと受け入れていただけなかった。 サービスが発生しないため、地域包括支援センターへの返却も検討。 同じ頃、半年ほど経過し、娘不在時にも受け入れてくれるようになり、返却を本人とも相談。 同時にサービス利用を提案。 「娘にばかり頼れない」と週1回の訪問介護利用を決意され導入する。 |
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