ケアプラン事例集:【居宅】在宅介護、施設入所、本人・家族にとってどちらが幸せなのだろうか - 家族、本人

アセスメント概要

 

事例タイトル 【居宅】在宅介護、施設入所、本人・家族にとってどちらが幸せなのだろうか - 家族、本人 -
事例提供理由
(検討したい内容等)
主介護者である妻が癌の手術をし、在宅療養をする必要がでてきた。
今まで必死に介護してきた妻は、在宅介護の継続を希望しているが、意見の違う長女、次女の間で気持ちは日々揺れている。
施設と在宅、どちらがより良い選択なのだろうか。
標準項目名
  1. 初回受付:1年前 氏名:G様 65歳 男性
  2. 裕福な商家の長男として生まれ、家業も順調だったが、60歳の時に転倒し、脳挫傷、高次脳機能障害となる。
    寝たきりの生活でADLは徐々に低下し、現在は寝たきりのため、すべての動作に介助が必要になっている。
  3. 国民健康保険⇒後期高齢者医療保険  無年金だが資産あり
  4. 在宅時のサービス
    訪問診療 週1回 訪問リハビリ 週1回
    訪問介護 週7回 1日2回 3事業所で対応
    訪問入浴 週1回
    福祉用具貸与:ベッド、エアマット、車いす、体位変換器
    ※障害1級 自立支援訪問介護も利用している。
1.利用者の基本情報
2.生活状況、生活歴
3.被保険者情報
4.現在のサービス
(およびケアの状況)
5.高齢障害者の日常生活自立度 C2ランク 6.認知症高齢者の
日常生活自立度
II
7.主訴
本人:
感情の表出がすくなく判断できないが、家族思いの父親だったと聞いており、家族の顔が見える環境が良いのではと想像している。
家族:
長女:施設に預けるのは嫌だと思っている。
次女:在宅では、介護はできないと思っている。
妻:在宅、施設の選択に日々迷っている。
8.認定情報 要介護5
9.アセスメントの理由 妻が入院中は老健に入所していたが、退院し在宅での療養の開始で、このまま入所を継続するか、サービスを利用して在宅介護にするか、家族の気持ちが対立している。
妻は在宅でも献身的に介護していたが、どうしてもベッド上の生活になってしまい、誤嚥性肺炎、尿路感染での入退院の繰り返しであった。
入所中、体調は安定し、ADLも向上してきている。
10.健康状態 脳挫傷、高次脳機能障害による失語あり。
嚥下機能障害で、誤嚥性肺炎を繰り返している。
尿路感染による発熱も頻回だった。
血圧などは安定しており、他に内科疾患はない。
右麻痺の後遺症がある。
11~23項目より
特記すべき項目
寝たきりの生活で、右上下肢に拘縮あり。
寝返りも全介助、車いす座位も右傾し保持が困難。
排泄はおむつ使用。便秘気味で週2回程度、排便コントロールしている。
妻が、潔癖症で、居室はいつも磨きこまれているが、排泄物に触れることができず、おむつ交換は、訪問介護時にしか行えていない。
(子育て時は使用人が多く、子供のおむつ交換もしてこなかった)
人の好き嫌いが激しく、ヘルパーに望むことも多いため、ヘルパーが定着しにくい。
住環境はすべてバリアフリー。
長女は遠方に住み、月1回程度の訪問しかできないが、入所に強い抵抗感を持っている。
次女は2階部分に住んでおり、今までも介護に協力していたが、幼児2人がいるため中心となって介護することは不可能。
本人、妻の兄弟姉妹も近くにはおらず、協力してもらうことはできない。
まとめとプランまでのケアマネの動き 妻の手術後の回復は順調だが、右手の動きに制限が出ている。
また、しばらくは抗がん治療が必要であり、今まで同様に介護することは不可能と思われる。
在宅では、離床する機会がほとんどなく、関節拘縮も進んでいたが、老健では、日中は車いす座位で過ごすことも多く、ADLは向上してきている。
在宅時も1日2回のヘルパーで排泄、整容、保清の介助を行っており、1日3回に増やし、訪問診療、訪問リハビリ、訪問入浴に短期入所を組み合わせれば、理屈上は何とか介護環境を整えることはできると思う。
妻は、夫が一緒に生活していた方が、精神的に安定すると思われる。
しかし、妻の性格を考えると、彼女が満足するようなヘルパーを1日3回確保することは、かなりの困難が予想される。
(これまでに、市内のほとんどの事業所を利用しており、トラブルになったことも多いという経緯があるため、サービスを断られることも考えられる)
サービス調整が上手くいったとしても、妻と次女の負担が大きくなることが予想され、家族全員に満足していただくために、施設、在宅以外にも方法がないものだろうか、と悩んでいる。
また、施設での生活を見ていると、私が受託したときには「寝たきり」状態で、入院することも多く、「維持」を目標にしていたが、今までのケアプランが間違っていたのではないか、本当は、もっと「自立支援」に則したプランができたのではないか、と反省している。

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